会話型AIサービス「ChatGPT」などを手掛ける米OpenAIは3月1日(現地時間)、ChatGPTと音声テキスト変換AI「Whisper」のAPI提供を開始したと発表した。システム最適化で実現したコストの90%削減(2022年12月比)を価格に反映させたとしている。
ChatGPT APIのエンジンは「GPT-3.5」ではなく、ChatGPT製品で使われているものと同じ「gpt-3.5-turbo」(gptはなぜか小文字)。価格は1000トークン(1000トークンは英語の場合およそ750ワード相当)当たり0.002ドルで、これは既存のGPT-3.5モデルより10倍安い。
gpt-3.5-turboは、一連のトークンとして表される非構造化テキストをそのまま使う従来モデルと異なり、テキストを一連のメッセージとメタデータとしてChatGPT APIにフィードする「ChatML」(Chat Markup Language)を採用している。これにより、ChatGPTの応答がより調整しやすくなるという。
OpenAIはgpt-3.5-turboを改善し続けており、APIユーザーは最新バージョンを使うこともできるが、特定のバージョンを選択することも可能になる。
API提供開始段階のバージョンは「gpt-3.5-turbo-0301」で、4月には次の更新が予定されているが、現行バージョンも少なくとも6月1日までサポートされる。
大規模なサービスを構築したい企業向けに、専用インスタンスも提供する。OpenAIは、1日当たりのトークンが4億5000万を超える開発者にこのプランを勧めている。価格については「お問い合わせください」。このインスタンスのバックエンドはもちろん、同社に出資している米MicrosoftのAzureだ。
ChatGPT APIは既に米Snap、米Shopifyなどが採用したサービスを発表している。Snapの「My AI」は、Snapchatの友達として追加したAIとチャットできるというものだ。Shopifyは、買い物アプリ「Shop」のアシスタント機能でAPIを使っている。このアシスタントは、ユーザーのリクエストに基づいて数百万点の商品からユーザーに推奨商品を選び、提案する。
Whisper APIは、昨年9月にオープンソースにした音声テキスト変換モデル。こちらのAPIの料金は、1分当たり0.006ドル。
同社はまた、フィードバックを受けてAPIデータ使用ポリシーを同日更新した。
APIを介してユーザーから送信されたデータをモデルのトレーニングや改善に使わないことを明示した(ユーザーはデータ共有をオプトインで選択することも可能)。ユーザーのデータを使うことはないが、悪用や誤用を監視する目的で、最大30日間保持し、その後削除する。
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