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「R-1グランプリ」にやらせ疑惑 発表前に得点公開 原因は仮データの誤表示、詳細はいまだ不明

» 2023年03月07日 11時46分 公開
[松浦立樹ITmedia]

 関西テレビ放送は3月6日、「R-1グランプリ2023」の八百長疑惑がささやかれている問題について声明を発表した。4日に生放送された番組内で、1番手の芸人「Yes!アキト」さんの得点が表示される際、まだネタを見せていない「田津原理音」さんの名前と、470点という得点が一瞬表示された。その後、実際に田津原さんが470点で優勝したことから、視聴者からやらせを疑う声が上がっていた。

「R-1グランプリ2023」の公式Webサイトから引用

 田津原さんの名前と得点が一瞬表示された理由については、リハーサル時に動作確認で使用した仮データがシステム上に残っていたためと説明。「得点発表アニメーションの中でシステムエラーが起き、Yes!アキトさんの得点を送る際、その仮の得点データを拾い、一瞬『田津原理音470点』とう文字が映し出された」(関西テレビ放送)

 そのため、本番で田津原さんが470点を取って優勝したのは完全な偶然と説明している。大会後に行った検証の結果、この現象は必ず起きるわけでなく、特定条件下で起こると判明。しかし、発生条件などはいまだ明らかになっておらず、システムエラーの詳細な原因は不明としている。

 他にも、3番手の「ラパルフェ都留」さんの得点発表時に、本来は451点と表示するべき得点を450点と映し出してしまうミスもあった。得点表示システムを2台のPCで動かしており、PC間での連携が正常に取れなかったことが原因。得点の修正は放送中に行ったという。

 関西テレビ放送は「このたびのことは制作側の不手際によるもの。全出場者は予選から全力で闘い、審査員はそれを厳正な審査で受け止めてくれた。にもかかわらず視聴者に疑念を招くような不体裁を生放送中に起こしてしまったことは大変遺憾であり、視聴者と関係者には心から深くおわびする」とコメントしている。

 大会の結果についても「田津原理音さんの優勝は間違いなく自らの実力で勝ち取ったもので、その真正性が疑われるような事実は一切ない」と説明。やらせは一切なかったと否定した。

関西テレビ放送の声明

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