また、こうしたCPUとGPUを集積したSoCまたはCPUと単体GPUを搭載したSBCだけでなく、プログラムによって回路構成の組み替えが可能なFPGAを利用したエッジAIにも注目が集まっている。
FPGAの利点は、消費電力が低く、レイテンシが小さいことであり、処理性能も高い。米Xilinxや米Lattice SemiconductorといったFPGAベンダーの多くが、エッジAIに適した評価用ボードをリリースしている。一般的なSoC搭載のSBCでは、性能的に足りない場合など、FPGA搭載ボードも候補となるだろう。
ただし、FPGAのプログラミングは、通常のプログラミングとは異なるため、FPGAを熟知したエンジニアが必要となる。
SBCでは処理性能や拡張性が足りない場合は、産業用組み込みPCがエッジAIに活用されている。特に最近では、エッジAIをターゲットに開発された産業用組み込みPCも増えてきている。
例えば、台湾のiBASEの「ASB210-953-AI」は、5G接続対応と第11世代Coreプロセッサ搭載に加え、エッジAIのための「Hailo-8 AIアクセラレーションモジュール」を搭載していることが特徴だ。Hailo-8は26TOPSの演算性能を実現しており、AI処理を高速に実行できる。筐体のサイズも一般的なPCに比べると遙かに小さく、工場ラインでの不良品検出などにも適している。
また、電子機器メーカーであるコンテックの「DX-U1100」は、NVIDIA Jetson Nanoを搭載し、ファンレス動作を実現している。Jetson開発キットを使って開発・検証を行ったAIアプリケーションをそのまま利用して、実証実験や本格運用を行えることが魅力だ。
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