ソニーが展開するプロフェッショナル向けクラウド制作支援サービス「Creators’ Cloud」の戦略は、以前お伝えした通りだ。一方で2023年2月22日、ソニーは個人向けの「Creators’ Cloud」をサービスインした。追って3月9日には、モバイルアプリ「Creators’ App」を公開した。
筆者も早速個人向けCreators’ Cloudをテストしてみたところだが、プロフェッショナル向けのソリューションとは全く異なるもので、少々面食らっている。
アップロードしたデータは、誰かに共有できるわけでもない。「ディスカバー」では作品も公開できるが、アップされているのは写真が中心で、映像制作プラットフォームと言う雰囲気でもない。新たにオンラインで動作する「Master Cut(beta)」も公開されたところだが、映像編集できるわけでもなく、いわゆる「映像処理ツール」にとどまっている。
プロ向けのCreators’ Cloudを、個人クリエイターに対して規模を縮小して使えるようにしたものかと思ったのだが、サービスとしては全くの別物になっている。
そこで今回は、個人向けCreators’ Cloudを担当するソニーのイメージングプロダクツ&ソリューションズ事業本部 商品企画部門の立川博之氏と上田力也氏に、個人向けCreators’ Cloudとはどういう位置付けのサービスなのか、お話しを伺ってみた。
――プロフェッショナル向けのCreators’Cloudは、これまでプロ向けにクラウド上で展開してきたサービスを1つのシナリオでまとめて、制作から管理運用までを行なう、コンテンツ配信プラットフォームだと理解しています。一方で個人向けCreators’ Cloudは、この上でコンテンツを配信するというより、パーソナルクラウド的な性格が強いサービスのように見えました。この個人向けCreators’ Cloudのコンセプトを、簡単にご紹介いただけますか?
立川氏(以下敬称略): 私達ソニーはカメラメーカーとして、高度なカメラ技術を持った商品を提案して来ました。お客さまの撮影体験を支援するということをこれまでやってきましたが、その枠を超えて、私達が持つカメラ技術と、その先にあるクラウドのAIも含めた技術を掛け合わせて、クリエイターの制作ワークフローを支援させていただくというコンセプトで提案させていただいた、制作プラットフォームになります。
――これはエンタープライズ版とどこか連携する部分があるんでしょうか?
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