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NASを捨てるときの注意点 安全な処分方法は? バッファローに聞いたデジタルガジェットのあとしまつ

» 2023年04月05日 11時14分 公開
[吉川大貴ITmedia]

 もはや仕事や生活になくてはならないものになりつつあるデジタルガジェットの数々。購入を薦められることは多々あるが、正しい捨て方は知られていない。本連載では、デジタルガジェットの正しい捨て方を専門家に聞いていく。

 今回は、データ保存用に個人・法人問わず使われるNAS(Network-Attached Storage)の捨て方を紹介。バッファローの山田磨さん(事業本部 法人マーケティング部 法人ストレージマーケティング課 課長)に、1問1答形式で聞いた。

──NASを処分するときの注意点を教えてください

山田さん 情報資産を持つ機器については、データを適切に消去しないまま廃棄してしまうと、情報漏えいにつながり大きなセキュリティ事故を招くリスクがあります。機器の初期化やドライブのフォーマットだけでは、HDD内のデータは完全には消去されずに残ってしまう可能性があります。

 特に公共団体に対しては、総務省公表の「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」に準じてデータ消去を行うことが強く推奨されています。

──データを消去するとき、具体的にどんなことに気を付ければいいのでしょうか

山田さん NASから内蔵ストレージを取り出して廃棄いただく必要があります。具体的な対応は内蔵ストレージの種類によって異なります。

 HDDの場合は、機器の初期化やドライブのフォーマットだけでは、データが完全には消去されずに残ってしまう可能性があります。

 穴を開けたり、強い力で押しつぶして破壊すれば、通常の方法ではデータを取り出せなくなりますが、ディスクの一部に読み取り可能なデータが残ってしまい、特殊な方法で復元されるリスクが残ります。強力な磁気を照射することで、記録領域に記録されている情報を破壊する「磁気消去装置」による消去と組み合わせての利用をおすすめします。

 バッファロー製品の場合は「ドライブ廃棄 データ消去機能」の併用もおすすめします。地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドラインに対応した方式でデータ消去が可能ですので、官公庁への導入にも向いています。

 SSDについてはデータ消去に対応していない(データの記録は磁気ではなく電気的に行われる)ため物理的に破壊してから廃棄することが望ましいです。

──NASは家庭ごみとして捨てられますか?

photo バッファロー製のNAS

山田さん HDDを分離しない場合は大きさのため粗大ごみに分類される場合が多いです。分離した場合、外側は大きいため粗大ごみになることが多く、HDDは個人であれば不燃ごみ、法人であれば産業廃棄物として分類される場合が多いです。ただし詳細な基準はお住いの自治体でご確認ください。

──NASを捨てる、もしくは交換する適切なタイミングを教えてください

山田さん HDDなどのハードウェアは、1年目の初期不良の可能性を超えると、3年目以降故障率が急激に上昇していきます。そのため常時通電しているNASの場合、定期的なリプレース(取り換え)をおすすめしています。

──その他、NASを捨てるときのポイントや、バッファロー製品独自のポイントがあれば教えてください

山田さん 故障してからでは遅いので、データが消失する前に古いNASはリプレースするよう、定期的な交換をおすすめします。バッファロー製品の場合、「設定・データ移行機能」(設定情報の移行はLinuxモデルのみ対応)を使っていただくことで、データだけではなく設定情報も移行してすぐに利用を再開できます。



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