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BPSPとは何か? 企業の請求書をカード払い 広がる法人キャッシュレス(1/3 ページ)

» 2023年04月14日 07時30分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 個人のキャッシュレス決済が順調に拡大する中、次第にホットになってきているのが法人キャッシュレスだ。これまで法人間の支払いは銀行振込が主であり、クレジットカードなどのキャッシュレス決済は、社員の小口経費の一部にとどまっていた。

 しかし近年、BPSPと呼ばれる仕組みを使った「請求書支払い代行サービス」が登場し、企業間の支払いをクレジットカードで行いやすくなった。その仕組みとメリットとはなんなのだろうか。

請求書支払い代行サービス

 請求書支払い代行サービスとは、受け取った請求書の支払いを、銀行振り込みではなく手持ちのクレジットカードで行えるようにするサービスだ。

 例えば、4月末までに支払いが必要な50万円の請求書を受け取ったとしよう。請求書支払い代行サービスを使うと、銀行振り込みの代わりに、手持ちのカードを使って支払いが行えるようになる。支払い相手には、代行サービス業者が、期日通りに振り込みを行う形だ。

BPSPの流れ。カード払いに対応していない請求書でもカードで支払いができ、結果として支払いを30〜60日延長できる(ROBOT PAYMENTの1click後払いの解説ページより)

 メリットは資金繰りの改善だ。カードの引き落としは締日から1カ月ほどあとになるため、最大で60日ほど、支払いを遅らせられる。

 代わりに請求書支払い代行サービスに4%前後の手数料を支払う。法人間で一般的な掛取引において、締日から支払期日までの期間を支払いサイトというが、これを2カ月伸ばせることのメリットは、特にスタートアップにおいて大きい。

 というのも、こうした運転資金は通常銀行から融資してもらうことが多いが、審査に過去3年分などの決算書が必要な銀行融資は、設立したばかりのスタートアップにはハードルが高いからだ。

 新たに請求書支払い代行サービス「マネーフォワード 請求書カード払い for Startup」を開始した、マネーフォワードケッサイの冨山直道社長は、「銀行融資が引けるところなら融資のほうが安いが、設立3年以内だと融資がなかなかひけない。運転資金の課題を解決する手段として、2.8〜4%の手数料はそんなに高くない」と利点を話す。

 銀行からの運転資金融資と比べるとコストは高くなるものの、銀行とのコミュニケーションコストを考えると、1営業日で数百万円の実質的な資金調達ができることのメリットは大きい。

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