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アドビの「AIノイズ除去」がすごい 超高感度撮影したノイズだらけの写真で試した荻窪圭のデジカメレビュープラス(4/5 ページ)

» 2023年04月22日 12時41分 公開
[荻窪圭ITmedia]

昔撮ったRAWデータの復活にいいかも

 他の超高感度写真も行ってみよう。シーンや被写体によって得手不得手はあるのか。

 ソニーの「α7C」で、夜の住宅街のつつじを撮ってみた。

 ISO102400である。ノイズだらけである。

 これをどこまで蘇らせることができるか。

 いやもう肉眼ではノイズに隠れてよく分からないディテールまでそれなりに復活してくれた。

 すごい。

α7CでISO102400で撮影したつつじの部分。花のディテールがこれだけ蘇るとは、というレベルだ

 さらに最高ISO感度のISO204800でも挑戦。今度は無機物にしようということでスクーター。ISO204800は拡張ISO感度の領域でとても推奨はされないものだ。

 ノイズ除去したものと、カメラ内で生成したJPEG画像を並べてみたのがこちら。カメラが書き出すJPEG画像よりハイクオリティーってのが分かると思う。

ISO204800で撮影したバイクの部分。こういう無機質なものは得意なようだ。ノイズも少ないしディテールもしっかり出てる。すごい

 猫の時は毛がやや不自然だったけど、金属のような無機質系は実に滑らかでいい感じだ。

 個人的にこれはいけそうと思ったのは、古いRAWデータの復活。昔はちょっと感度を上げるだけでノイズが乗ってきたからね。当時の写真を現代の技術でアップデートできるって素晴らしい……ただし、当時ちゃんとRAWで撮っていればね。

 1枚目は2003年にキヤノン「Powershot G3」で撮ったうちの猫。なんと20年前のコンパクトデジカメのRAWデータだ。

 ISO400だけど何しろ当時のCCDなのでけっこうノイジーなのである(たまたまRAWで撮ったデータが残ってて良かった)。

2003年にPowershot G3のRAWで撮っていたうちの猫の部分。。ISO400だけど、かなりノイジーだったのだ(当時のコンパクトデジカメなので)

 続いて2005年。たまたまニコンの「D100」で高感度チェックしようとRAWで撮った画像が残ってたのだ。ミニカーの写真なのだけど、ISO6400という最高感度で撮ってたのである

 ノイズが目立ちやすい赤と青、それぞれの拡大図を撮ってみた。

2005年にD100で感度チェック用に撮ったカット。赤と青のミニカーのノイズに注目。特に赤い色のノイズが消えたのは素晴らしい

 いやもう、当時ざらざらで使えなかった写真が蘇りました。特にこういう「モノ」はAIがいい感じに処理してくれる。

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