今回のスマホ搭載は、新しめのAndroid端末ならほぼ対応している。しかし、日本で過半のシェアを持つiPhoneでは利用できない。これはなぜか。
スマホ内で電子証明書を保存するのは端末内のセキュアエレメント(SE)と呼ばれるセキュリティチップだ。SEは、Apple PayやGoogle Payなどの決済サービスにおいても、クレジットカード情報の保存に使われている。
スマホにマイナカード機能を盛り込むセキュアエレメントとは(マイナンバーカードのスマホ搭載の技術面を開発した、デジタルアイデンティティ推進コンソーシアム理事/情報セキュリティ大学院大学の辻秀典客員教授の資料より)SEを使うのは高いセキュリティを持つためだ。他のアプリからはもちろん、OSからもアクセスできない。スマホの中にあるものの、専用のサーバを通じてだけアクセスが可能になっている。電子証明書を民間が利用したい場合も、SEにアクセスが許された国のアプリを経由して利用することになる。
ここでAndroidはSEへのアクセス方法を開放しているものの、Appleは全く開放していない。そのためiPhoneでも利用できるよう、国がAppleと交渉している状況だ。河野太郎デジタル庁大臣は、「iOSもAppleと交渉しているところで、やりますよということは決まっている。あとは時期の問題」だとしており、将来は同様の方法でマイナカード機能がiPhoneにも搭載できるようになる見通しだ。
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