欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は5月15日(現地時間)、米Microsoftによる米Activision Blizzardの買収を承認すると発表した。
Microsoftは2022年1月、「Call of Duty」や「Candy Crush」などの人気ゲームを開発するActivision Blizzardを687億ドルで買収すると発表した。同社にとっても過去最大規模の買収で、これが承認されればゲーム業界で世界3位に浮上する見通しだ。
この発表後、世界の16の政府当局がこの買収について審査すると発表した。そのうち、米連邦取引委員会(FTC)は、買収を阻止する訴訟を起こした。また、英国の競争・市場庁(CMA)も買収を認めていない。
欧州委員会は、競合他社がActivisionのゲームをクラウドゲーミングサービスで利用できるようにすることなどの条件をMicrosoftが受け入れたため、買収を承認した。
Microsoftの副会長兼プレジデントのブラッド・スミス氏は、「欧州委員会はMicrosoftに対し、Activision Blizzardのゲームを競合するクラウドゲームサービスに自動的にライセンス供与するよう要求した。これはグローバルに適用され、世界中の何百万もの消費者が、あらゆるデバイスでこれらのゲームをプレイできるようになる」とツイートした。
欧州委員会の競争政策担当コミッショナー、マルグレッタ・ヴェスタヤー氏は発表文で、この買収計画が「競争促進的」であり、クラウドストリーミング市場を「活性化」させると評価した。
MicrosoftとActivisionが取引を完了させるためには、米国と英国の当局からも買収の承認を得る必要がある。いずれの国からも承認を得られなかった場合、買収は成立しない可能性がある。
CMAは公式Twitterアカウントで、「欧州委員会が(CMAと)異なる見解をとる権利があることを認識し、尊重するが、CMAは自らの決定を支持する」とツイートした。
本稿執筆現在、FTCはこの件に関してまだ何も発表していない。
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