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Stable Diffusionを手元で動かしたい! 画像生成AIを動かすならどんなPCを選んだらいい?(1/4 ページ)

» 2023年05月29日 09時10分 公開

 ChatGPTと並んで進化が著しいのが画像生成AIだ。画像生成AIは、クラウドで動かす「Midjouney」や「DALL・E 2」のほかに、オープンソースの「Stable Diffusion」が有名。そしてStable Diffusionは、Googleのクラウドサービス「Colaboratory」などでも動かせるが、やはり手元のPCで動かせたら、自由度が高い。

 しかしどんなPCがあれば、Stable Diffusionのような画像生成AIを動かせるのか? 画像生成用にPCを選ぶなら、何に注意したらいいのか? 聞き手の編集部サイトウは、PCを自作したのはもう20年以上前。今のPCがどうなっているのか、全く分からない。そこで、画像生成AI向けPCの要諦を、マウスコンピューターのマーケティング本部製品部プロダクトマネージャーである林田奈美氏に聞いた。

マウスコンピューターのマーケティング本部製品部プロダクトマネージャーである林田奈美氏

画像生成AI向けPCの最重要ポイント

 林田さん、よろしくお願いします。ズバリ、画像生成AI向けにPCを作ったり選んだりするために、最も重視すべきポイントはどこでしょうか?

一番重要なのはグラフィックスカード、特にカードのメモリの搭載量が重要です。データを展開するためのメモリが多いほうがよい。

NVIDIAのチップに搭載されているコアで計算を行うときには、チップに搭載されているメモリを使います。でもPCのメモリは増設できるけど、グラフィックスカードのメモリは増設できないんです。

 なるほど。メモリ容量が大事なんですね。でもどのくらいを目安に考えたらいいんでしょう?

例えば、「GeForce RTX 4090」は去年の秋に出た一番いいカードなんですが、グラフィックスメモリが24GB……。

 ちょ、ちょっとまってください。4090って型番ですよね。どういう位置づけなんですか?

3000、4000という4桁の数字が世代を表していて、後ろの2桁がグレードを表します。「90」と付くのはNVIDIAのチップを載せたカードで一番上のモデル。4090は、最新世代の最上位グレードですね。

 やっぱりすごいカード? なんでしょうか。

カードだけで30万円とかします! 置いてはあるけど、あんまり売れないスーパーカーのようなものです。

4090なんて、ゲーム用途ではオーバースペックだけど、実は最近けっこう売れています。今の流れを考えると、画像生成AI向けにお仕事や趣味で使われている人が多いんじゃないでしょうか。

真ん中に挿さっている「GEFORCE RTX」と書かれたカードが、NVIDIAの最新ハイエンドチップ「RTX 4090」を載せたグラフィックスカード。お値段30万円オーバー

 カードだけで30万円ですか! それってPC全体だといくらになるんですか?

カードだけで30万円なので、PCにすると60、70万円になってしまいますね。

 ちょ、ちょっと高すぎ……。PCって10万円くらいで買えるものかと思っていました。ゲーミングPCでも15万とか20万円とか? もう少しグレードを落とすとどうなるんでしょう?

画像生成にかかる時間をどこまで許容するかになります。一晩かかってもいいなら、低いスペックのものでもいいでしょう。でも仕事で、画像生成AIを使って背景や架空のポスターとかを作るなら、それなりのスペックのPCが必要になると思います。

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