凸版印刷(東京都文京区)は6月1日、くずし字解読アプリ「古文書カメラ」(iOS)の配信を始めた。AI-OCR技術を活用したアプリで、スマートフォンで撮影したくずし字をその場で解析できる。アプリのインストールは無料、解読機能は、1日に10回まで利用可能。
書簡などの手書きと木版印刷で作られた版本、それぞれのくずし字に対応したAI-OCRエンジンを搭載しており、解読率は90%に及ぶという。AIが全ての文字を自動で検出し、解読する「フルオートモード」と、文字候補を提案することでさらに詳細な解読を可能にする「範囲選択モード」を備える。
もしAIの解読結果が間違っていた場合、ユーザーが修正できる。修正内容はAIが再学習し、解読精度を向上させられるという。解読結果は画像とテキストデータで保存可能。
同社ではこれまでも古文書解読事業を進めており、今回のアプリもその一環。古文書のほとんどはくずし字で書かれているため、現代人には判読が難しく、内容を解読できていない古文書が全国各地に存在するという。同社はこの課題を解決するため、2015年から関係機関と連携し、くずし字OCR技術の開発・実証を進めている。
夏頃には、くずし字解読機能の回数制限を解除できる有料機能を実装予定。Android版アプリも秋頃に配信する。
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