基本スペックはZ 9に準拠、で済ませてはいけないので(Z 9のスペックを頭に入れてる人なんて多くないだろうし)簡単に説明する。
イメージセンサーは積層型の裏面照射センサーで4571万画素。もちろん像面位相差AF搭載。
一番の特徴は「メカシャッターを持たない」こと。電子シャッターのみだ。だから最高シャッタースピードも1/32000秒と速い。
電子シャッターで気になるのが「ローリングシャッター歪み」。これは現行のCMOSセンサーの宿命でもあり、高速に動く被写体を撮るとフレームの一番上のラインと一番下のラインのタイムラグによって斜めに歪んで写るという現象だ。メカシャッターがあればそれでかなり防げるのだが、電子シャッターのみとなるとこの歪みをどうするのか気になる。Z 9とZ 8はセンサーからの信号の読み出し速度を上げることで軽減してるのだけど、実際にどのくらい軽減できてるのか気になるよね。
というわけで、最近の他社の35mmフルサイズセンサー機と比べてみた。被写体はポータブルな扇風機だ。
本当は各社の積層型センサーを搭載したフラッグシップ機同士で比べるべきなのだけど(ソニーならα1やα9II、キヤノンならEOS R3)、同等条件で比較できる作例を用意できなかったのでご勘弁。
まあ、センサーからの読み出し速度が速くない機種、そこそこ速い機種、すごく速い機種の3つで比べてみたと思ってください。
Z 8、すごいでしょ。高速に回転する扇風機を撮っても、ゼロではないにしろほとんど歪みを感じないのだ。
ちなみに走る列車からすれ違う反対方向の列車を撮っみた。互いに反対方向に走ってるから相対速度はそれなりになってるわけで、それでこの歪みの少なさは特筆すべきだ。
読み出しの構造に工夫したイメージセンサー+メカシャッターレスのおかげで、物理的な振動がない、音がしない、撮影の瞬間に画面がブラックアウトしない、レスポンスが速いなどなどミラーレス一眼ならではの快適な撮影ができる。これは素晴らしい。
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