欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は6月14日(現地時間)、米Googleが広告技術市場の競争を歪めることでEUの競争法(独占禁止法)に違反したとする予備的見解をGoogleに通知したと発表した。
競争政策担当上級副委員長のマルグレッタ・ヴェスタヤー氏は、Googleが自社のオンラインディスプレイ広告技術を優遇し、競合する広告プロバイダー、広告主、オンラインパブリッシャーに不利益を与えているのではないかと懸念していると語った。「この懸念が確認された場合、Googleの行為は独占禁止法に違反する」。
同氏は、Googleがオンライン広告市場での支配的地位を乱用し、自社サービス有利になる仕組みを作ったとしている。
違反が立証されれば、Googleの広告事業の一部売却を求める考えだ。
「Googleは、パブリッシャーの広告サーバと広告購入ツールによって市場の両側で積極的に活動しており、どちらの側でも支配的な地位を占めている。さらに、最大手の広告マーケットプレイス「Google Ad Exchange」を運営している。これは、Googleにとって本質的な利益相反の状況につながる。したがって、欧州委員会の予備的な見解は、Googleによるサービスの一部の強制的売却のみが競争上の懸念に対処できるというものである」。
今後、Googleには書面で返答し、審問を要請する機会が与えられる。欧州委員会の最終判断は、その後に行われる。
Googleのグローバル広告担当副社長のダン・テイラー氏は同日、公式ブログで、「委員会の調査はGoogleの広告事業の狭い側面に焦点を当てており、新しいものではない」と語り、同社の先進的な広告技術が販売業者のビジネス成長にどれだけ役立っているかを認識していないと指摘した。
競争の激しいデジタル広告市場でパブリッシャーや広告主がGoogleを選ぶのは、Googleの製品が効果的で信頼性があるためだと主張し、「アドテクツールを破壊すれば、人々に利益をもたらす無料の広告付コンテンツの利用可能性がどう低下するかを示すことを楽しみにしている」とテイラー氏は語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR