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ソファの前のテーブルが低い? ならば変形だ ネット家具屋「LOWYA」発想の原点分かりにくいけれど面白いモノたち(4/5 ページ)

» 2023年06月20日 11時48分 公開
[納富廉邦ITmedia]

 筆者が、この製品を見て、「おおっ」と思ったのは、普通にカッコいいソファが、普通に寝やすそうなベッドに変形したからで、何かすごいと思ったのだけど、それは、変形を意外だと思えるほど、普通にソファの形をしていたからだったのだと、この取材を通して気がついた。

このサイドテーブルやサイドボード的に使える木製の部分が、座面と同じ高さになっているデザインが上手いのだ。また、寝具は寝具として、家具部分は家具として、それぞれクオリティが高いところも魅力だ

 確かに、ソファベッドはソファベッドに見えるし、そうなると、ソファとしての価値が何となく下がるような気がすることはある。ベッドに座ってるのか的な感じというか。

 この製品の個人的なポイントになっているのが、ソファの片側の端に付いているサイドテーブル的な木製のパーツだ。これがひじ掛けではなく、ソファとして使うとサイドテーブルとして使えて、ベッドとして使うと、ベッドサイドの小物置き場的に使える。

 そして当然のように、テーブルの下部が収納というか棚になっているのだ。ここが、ひじ掛けのようになっているのではなく、座面と同じ高さになっているのが見事なのだ。

「ちょうど横にサイドテーブルみたいなのが付いてるんですけど、意外とこれが難しくてですね。ソファメーカーだと、こういう組み立て式の木製家具が意外と苦手だったりするので、ちゃんとこの見た目もいい木材の収納を実現できるところを選んで、メーカーを組み合わせて作っていただいてます。ソファに座った時はお茶を置いたり、ちょっとしたものを収納したりできて、寝る時には携帯置きになる、両方のシーンをきちんと考えて作っています」(江田氏)

 ここがひじ掛けでなくフラットになっているから、ベッドになった時に、背の高い人も十分寝ることができるし、ソファとして見た時も、この木材の高級感が、ソファ自体の品質を向上させる。ギミックがそのまま、ソファとしての価値も高める設計が見事だ。

 クッションが付属しているのも上手い。これが背もたれ部分に置かれているから、ソファがよりソファらしく見えるのだ。

 そして、もちろん座面の下には収納がある。ここが引き出し式ではなく、座面を上げるスタイルになっているのがLOWYAらしさだろう。

座面の下には当然のように収納スペースがある。引き出し式にするより、座面を上げる方式の方が収納スペースを広く取れるから、というのがLOWYAらしい選択だ

 江田氏は「引き出し式にすると、引き出しに使う板の厚み分、有効内寸が小さくなります。中にレールを入れなければならない分も、収納スペースが狭くなります。私たちとしては、この構造が一番モノが入るだろうと考えて、座面を上げる構造にしています。何より、収納力は重要ですから」と笑った。

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