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ソファの前のテーブルが低い? ならば変形だ ネット家具屋「LOWYA」発想の原点分かりにくいけれど面白いモノたち(1/5 ページ)

» 2023年06月20日 11時48分 公開
[納富廉邦ITmedia]

 LOWYA(ロウヤ)というインテリア・ブランドが面白いのは、最初から「ネットのみで販売する家具とは、どういうものが良いのか?」というところから商品開発が行われているところだろう。ヒット商品となっている「リフティングテーブル」や、「カウチソファリクライニング」など、面白いギミックを備えた家具が生まれたのも、それがネットで販売することが前提だったからこそというのが、とても興味深い。

LOWYA「リフティングテーブル」3万9900円(税込)。サイズは116(幅)×64(奥行き)×30(高さ)cm、約36kgと、一人暮らしの部屋でも使える日本の住宅事情に沿ったサイズ感だ。重いので組み立ては2人以上必要なので注意

 例えば、「リフティングテーブル」である。この製品は、いわゆる、ソファの前に置いて使うローテーブルだ。そして、そのテーブルの一部が持ち上がり、ソファに座った状態でも、食事やノートPCでの作業などがしやすくなるというギミックを搭載している。

 良くできているのは、その持ち上がり方で、真上に上がるのではなく、少し手前側に向かって持ち上がるようになっている。そのため、ソファに座った状態でも、無理に身体を前掲させることなく、快適に作業が行える。

 「最初は、弊社は結構ソファが強いので、ソファに合うテーブルってなんかないかな? みたいな話から始まりました」と話すのは、LOWYAのMD統括で執行役員の江田亮平氏。

変形後。真上に上がるのではなく、少し手前側に向かって持ち上がるのが秀逸

「実際にソファを使っている人は、どういう生活をしているのだろうというところを、スタッフと話していて、意外に多かったのが、ソファの前にテーブルは置いているのだけど、そこでご飯を食べようとすると、前かがみになる必要があって食べにくい。だから、ソファの下に座っているという意見でした。特に一人暮らしの人はそういう感じだということが分かったんです。で、ソファの下に座ると、今度はテーブルがちょっと高い。それをなんとかできないかというのが、リフティングテーブルの開発の始まりでした」(江田氏)

 立って仕事をすることがブームになったこともあって、スタンディング用の昇降デスクは色々あったのだけど、そうではなく、生活の中で昇降テーブルを考えたのが、この製品の新しさだろう。そこには、筆者を含め、多分多くの人が一度は考えたことがあるだろう「ソファの前のテーブルの高さは、これが正解なのか?」という疑問があったという。

 実際、筆者も取材時にソファのある応接室などに通された時、メモの取りにくさに困ったことが何度もある。その度、ミーティングなども行う部屋に置くテーブルとソファというのは、何かが間違っているような気がすると感じていたものだ。

 もちろん、会社には会社の事情や思惑があって、ソファの必要性もあるのだろう。しかし、自宅なら、ソファはソファとして、寝転んだりできて便利だけど、そこで作業だってしたいと思う人は多かったのだ。TikTokでバズったのも必然だ。

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