カバーが替えられないという欠点はあるのだけれど、ベッドとして使う際には、マットを敷くだろうし(そういうマットは内部に収納できるし)、ソファとしても、布などを掛けて使う人は多い。
「構造上、どうしてもカバーを交換する仕様にはできなかったんです。張り替えも難しいので、今回は、見た目を優先して、このデザインに合う質感の良い素材を選びました。カバーを作ることも考えたのですが、ソファのカバーは高いんですよ。それが特殊仕様になるので、金額がかなり上がってしまいます。傷などに強い布も探したのですが、質感や見た目が良いモノがなくて、撥水加工とかはしますが、何か良い素材が出てくるといいなと思っている状況です」と江田氏。
実際のところ、表面の汚れと、機械的な部分の破損はどちらが早いのか訊いてみた返事は「クッションがへたるのが一番早いでしょう」ということだった。確かに、ソファはクッションがダメになって買い替えることが多いように思う。そう考えると、カバー問題は、気に入ったファブリックを買ってきて、上から掛けるのが解決策として良さそうだ。
LOWYAの製品では、他に、やはりソファベッドには見えないソファベッドのシリーズである「カウチソファリクライニング」や、絶妙なサイズ感が個人的に気に入っている、「T字デスク」など、ここでしか見ないような、機能的にはニッチではあるけれど、どこに置いてもすんなりと収まる、使い勝手の良い家具がそろっている。
その特長が、ネット販売を前提にしてアイデアが出されていること、収納力に重きを置いていることという2つの柱から生まれているというのが、とても面白い。
そのLOWYAが、福岡の九大伊都に店舗を持ち、今回、筆者が取材したように、渋谷でのポップアップなど、実店舗での展開にも乗り出している。ネットで、そのギミックや細部の特長を紹介し、実店舗でサイズや質感を確かめられる。これが、今後の家具作りにどう影響するのかも興味深い。
江田氏は「ネコ好きが集まって作ったキャットタワー一体型テレビ台とか、マンガ好きが集まって作ったマンガ専用本棚など、スタッフのコアな趣味で作られた家具にも注目してほしい」と言う。この、あくまでもユーザーを絞って製品開発をする姿勢は、SNSが崩壊した後の世界でも、有効な気がするのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR