実際、この「リフティングテーブル」にしても、仕掛けは昇降するだけではない。引き上げた天板の下には収納スペースがあって、さらに、天板が上がらない方のサイドには引出しが用意されている。つまり、テーブルの中は、ほとんどが収納スペースになっているという訳だ。
LOWYAの家具の多くは、こんな風に隠し収納や変形などの機能が搭載されている。もし、これを店頭で販売しようとすると、店員さんの説明が大変。見た目が普通だから、説明なしではせっかくのギミックも見過ごされる可能性さえある。しかし、ネット販売なら、ギミックの説明にたっぷりとテキストや写真、動画が使える。
「ネットで売る家具は、どういうものが良いのかというところから始まったブランドだったというのは大きかったと思います。どこにでもあるような家具では売れないだろうと考えた時に、ギミックだったり、コアな層を狙いにいくことだったりと差別化を考えました。しかも、ネットなら見た目をシンプルにしてもたっぷり説明できます。むしろ、シンプルなデザインの方が、多くの部屋に合わせやすいので、実際の製品を見ることができないハンデも少なくなるんです」と江田氏。
凝った機能も、その機能を隠すシンプルなデザインも、ネットで売る家具という点に特化したからこそ生まれた。そこが、とても新しいと思うし、現代の家具の在り方の例としてとても面白いと思うのだ。家具屋がネットに進出するのではなく、ネットで家具屋を起こそうという発想。
LOWYAのもう一つの特長に、収納へのこだわりがある。「リフティングテーブル」にしても、リフトアップした下と、サイドから引き出す引出しの2つの収納スペースがある。
「引出しを正面に持ってくるか、サイドに持ってくるかという点に関しては、中の収納スペースがなるべく広くなるようにというところで決定しました。正面に付けることもできるのですが、そうすると、昇降の機構と引出し用のレールが並ぶことになります。その分、引出しが小さくなるんですね。サイドの方が引出しが大きく作れます。収納力が高いほど、お客様の反応もいいんです。僕もスタッフも、収納力がとても大切だと考えているので、このサイズの中で一番収納できる形で設計しようというのは、前提だったんです」(江田氏)
この収納力へのこだわりと、普通に見えるコーディネートしやすいデザイン、そしてギミックというブランドの特長が、全部、良いバランスで上手く機能していると思ったのが、「組み換えカウチソファ」だ。
見た感じは、本当に普通のカウチソファだ。ソファ部分が3つに分かれて、好きに組み換えて使えるというのも、こういうソファにはありがちである。しかし、このソファ、実はソファベッドなのだ。
「ソファベッドは、市場的には別に珍しくもないものなんですけども、やっぱりベッドに変形する機能があるので、見た目がいかにもソファベッドという感じの製品がほとんどなんですよね。海外とかのソファベッドのデザインとかも色々検討はしたんですが、やっぱりソファベッドはソファベッドっていうデザインだったので、もっとちゃんとソファとしてのデザインのソファベッドが作れないかというのが開発のスタートでした」(江田氏)
つまり、これはソファベッドに見えないことが特長のソファベッドなのだ。
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