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Twitterからの移住者か、「Misskey.io」登録者20万人超え 1日で4万人増も一筋縄ではいかず

» 2023年07月04日 12時45分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 Twitterの閲覧制限をきっかけにネット上で代替サービスを求める動きが活発化している。分散型SNS「Misskey」の最大インスタンス(サーバ)「Misskey.io」も多分にその影響を受けたサービスの1つ。2月時点で3万人だった登録者数は7月2日に20万人を超えた。

 Misskey.ioは「レターパックで現金送れは全て詐欺です」といった独自のネットミームを生み出すなど独特のノリで知られるインスタンス。Twitterからの“移住先”として一部ユーザーの注目を集めているが、成長の影で一筋縄ではいかない事情も抱えていた。

 Misskey.ioは、10人以下のスタッフで切り盛りする個人経営のインスタンス。一気にユーザーを増やすことは難しく、サーバを増強した後に新規登録を開放(受け付け)する形で徐々にユーザーを受け入れてきた。一方でアーティスト支援サイト「Patreon」で運営資金の支援を募り、月額プランを購入してくれたユーザーには優先的に登録される「招待コード」を発行していた。

 しかし6月下旬、Patreonが詳しい説明もなくMisskey.ioのページを削除する事態が発生。収入源を絶たれたMisskey.ioは、新規登録受付を一時停止し、急ぎ「pixiv FANBOX」を使って新しい支援プランを公開した。公式Twitterアカウントは「収入が0になってしまうとサービスの継続が困難と判断したため、一時的ではありますがPixiv Fanboxさんのお力をお借りする形となりました」と説明している。

PatreonのMisskey.ioのページ。「このページは削除されました」

 新しい支援プランは月額200円の「ファン」から月額1500円の「ミス廃」まで4つ。2日時点では「一般開放を行なってしまうとサーバーがパンクしてしまう状態」のため、月額1200円以上の支援を行った人から優先的に登録処理を行っていた。

 しかしTwitterの閲覧制限の影響か、新規登録者は急増し、今度は案内を送るメールサーバがキャパオーバーに。「今朝から4万人ほど新規登録者が増えており、利用しているメールサーバの上限を超えているためメールの配信が正常に出来ない状態になった」と説明。結局、他のメール配信サービスを追加契約したという。

 2日夜までにサーバの増強作業が完了すると、招待コードの発行を月額600円以上のプランへと引き下げた。一方、一部ユーザーによる招待コードの転売行為が確認されたため、該当するユーザーに対してアカウント凍結などの利用制限をかける方針も明らかにしている。

「pixiv FANBOX」の支援ページ。月額1500円の「ミス廃」まで4つの支援プランがある

 トラブルに見舞われながらも登録希望者を受け入れ続けるMisskey.io。今後もサーバの状況に応じて招待コード発行のハードルを引き下げていく考えだ。3日には今後の方針として「サーバーの強化が追いつき次第、300円のプランにて(招待コード発行を)開放、その後一般開放予定ですが、登録処理が集中した場合は一時的に1200円あるいは1500円のプランのみの登録に制限される場合もあります」という方針を示している。

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