文部科学省は7月13日、大学や高等専門学校が生成AIを扱うときの参考として、活用例や注意点をまとめた資料を公開した。チャットAIサービス「ChatGPT」などを有効に使える用途や、逆に留意が必要な点、大学・高専がどのような利用体制を取るべきか取りまとめている。
文科省はChatGPTなどが有効に使える用途について「ブレインストーミング、論点の洗い出し、情報収集、文章校正、翻訳やプログラミングの補助など学生による主体的な学びの補助・支援などが考えられる」と例示。今後、生成AIの利用が一般的になる可能性もあるとして、技術的な限界や原理の理解を促すような利活用も視野に入れられるとした。
一方で「生成AIの出力をそのまま用いるなど、学生自らの手によらずにレポートなどの成果物を作成することは、学生自身の学びを深めることにつながらない」と指摘。生成AIの出力に虚偽が含まれる可能性や、機密情報の漏えいにつながる可能性、意図しない剽窃につながる可能性にも言及し、レポートでの利用や成績評価に当たっては注意が必要とした。
大学・高専に対しては、生成AIの利点・注意点を踏まえつつ、技術の進展などに応じて適宜方針を見直すよう呼び掛け。「各大学・高専において、具体的に行われている教育の実態に応じて対応を検討することが重要であり、学生や教職員に向けて適切に指針を示すなどの対応を行うことが望ましい」とした。
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