「岩谷マテリアルさんの製品に、樹脂製の灯油を入れるポリタンクがあって、あんな風に樹脂製なのにふわふわした感触で座れるものがあったらいいねと、みんなで灯油タンクに座ってみたんです。それで、これ面白いんじゃないかということになったのがスタートですね。これが2020年の終わり頃だったので、完成まで2年かかってます」と橋田氏。
樹脂製の椅子をリビングに置くということに関しては、既にそういう製品がイタリアなどでは一般的になってきていて、高級レストランなどで採用されるケースもあるという。また、最近では樹脂の品質も上がり、質感が良く色もきれいな製品が出てきている。
「SDGs的には木で作るという選択肢もあるんですが、樹脂でいいものを作って長く使えるなら、それはそれでSDGsではないかって思想でやってます。実際、汚れとかには樹脂の方が強いですし、拭けばきれいになります。コロナ以降、除菌への関心も高まっていますが、樹脂ならアルコールで拭けますから」と橋田氏。確かに、革製のソファや木製の椅子はカッコいいし、風格もあるけれど、長く使うとかなり汚れてしまう。それこそ、旅館の座椅子なんかでも結構悲惨なものは多い。結局、ファブリーズをかけるしかなかったりするのだったら、樹脂製の方が遥かに「キレイ」が長持ちする。
「座椅子のようなぺたんこの座面ではなく、ある程度高さがある構造にしようというのは最初から考えていました。立ち上がりやすく、座ってあぐらをかいた時の安定性とか、お尻が少し上がってることで身体への負担が軽減できたり。高さを作ることで、座りやすさは確保できたと思いました」
そして、この製品は座りやすいだけの椅子ではない。後ろに体重をかけてリラックスできる一方で、前傾姿勢になって仕事などができるようにもなる仕掛けが施されている。
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