6月22日にリリースされたもう1つの機能に、「Dropbox AI」がある。現在α版で、現在は米国のDropbox Professionalユーザーにのみ提供されている。これはDropboxのWebアプリ上で最もトラフィックが多い「ファイルプレビュー」を手助けするものだ。
パーソナルAIの対になる言葉として、ここでは便宜的にChatGPTなど広く誰でも利用できるものを、「パブリックAI」と定義しておく。現在でもパブリックAIにファイルを投げ、サマリーを作るよう指示することも多いと思うが、社外秘のファイルなどを迂闊に読み込ませてしまうと、学習に使われて情報漏えいに繋がる事にもなりかねない。
一方Dropbox AIはパーソナルな領域でのみ動くAIで、社内や個人が持つ非公開ファイルや動画からサマリーを作って、提示してくれる。これはファイル全体を表示するよりも、サマリーだけ表示した方がトラフィックが下がるという思惑もあるわけだが、ユーザー側にもいちいち長文の議事録ファイルを開いて全部読む必要がないというメリットがある。Dropbox AIもDropbox Dashに搭載されるAIも、わざわざ中身を分けて別々に学習する必要もないので、基本的には同じAIで見せ方が違うといった格統になるのだろう。
Dropbox AIは、パブリックAIのような利便性を、パーソナルな領域に持ち込むものと考えられる。これはパブリックAIのように、膨大な知見が事前に学習されているという事がウリになるのではない。プライバシーやセキュリティ、透明性といったところを担保しつつ、手持ちのファイルの中から情報を探す、整理する、管理するといった機能がウリになる。
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