織物が光ったり音を発したり──ZOZOグループの研究開発機関・ZOZO NEXTは8月1日、そんな不思議な織物の試作品を一般公開した。東京都千代田区のギャラリー「Have a Nice TOKYO!」で7日まで展示している。
例えば会場では、音を鳴らせる織物「Sounds」の試作品を展示。Soundsは、電気を加えると振動するフィルムを織り込んだ布だ。試作品は、電極から電気を流すことで、4〜6kHzほどの音を出せるという。
表面にドット状の光が灯る織物「Pixels」も展示。フィルム状に成型した有機ELダイオードと導電性の糸を織り込んだもので、アニメーションの再生もできる。光の色は赤・青・緑。イベントでは、100ピクセル(10×10)相当の試作品を展示した。
会場では、温度変化に合わせて色が変わる「Wave of Warmth」など、過去のイベントで公開した試作品も合わせて8点を展示している。
一連の織物は、東京大学や西陣織の老舗・細尾(京都市)などとの共同開発プロジェクト「Ambient Weaving」によって生まれたものだ。あくまで研究開発の段階で、具体的な事業化・製品化のめどはたっていないものの、試作品の中にはインテリアや衣料品への利用を見込んで製作しているものも多いという。
例えばSoundsは、アートギャラリーや車内などの空間を、見た目と音の双方で演出するインテリアなどへの利用を想定。環境音を再生できるカーテンや壁紙、ノイズを打ち消す機能を持った家具などの素材にできる可能性があるという。
一方のPixelsは衣料品やサイネージでの利用を想定。試作品は100ピクセル相当だが、より大型化したり、高解像度化したりといった発展を見込んでいるという。今後は「今回の展示会のようなイベントで得たフィードバックを基に、単なる布ではなく新しいプロダクトとして展開していきたい」(ZOZO NEXT MATRIX本部 IoT/Textile部 部長 中丸啓さん)としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR