円谷プロダクションは8月7日、1967年放送の特撮ドラマ「ウルトラセブン」の登場人物の声を再現した音声合成AIを開発したと発表した。音声合成技術の研究を行うテクノスピーチ(愛知県名古屋市)が協力。ウルトラセブンの主人公「モロボシ・ダン」とヒロイン「友里アンヌ」の声色や放送当時の音質を再現し、新たなせりふを生成できるという。
AIの学習にはウルトラセブン本編の音声を利用した。本編の音声は、効果音と音楽、せりふなどが混ざったデータのみが現存していたため、音声分離技術でのダンとアンヌの音声データを分離。また、不足分の音声データを補うため、オーディションで選んだダン役の俳優・鍛治本大樹さん、アンヌ役・二階堂結さんの音声も収録し、学習データに追加した。
テクノスピーチの大浦圭一郎代表取締役は「今回の音声の再現は難易度が高かった。通常、テキスト音声合成器を構築する際は、防音設備下で専用の文章を朗読した数時間分の音声データをディープラーニングする。今回は、55年前の本編動画しかなかったが、最終的には当時の質感のままの声質・しゃべり方を再現できたと思う。今後の展開に注目してほしい」と述べた。
今回開発したダンとアンヌのAI音声は、体験型謎解きイベント「CaseFile AR196837 星と少女」で使われる。
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