ヤフーは8月8日、同社の法人向けデータ分析ツール「DS.INSIGHT」で、未来のトレンドを予測する機能「DS.INSIGHT Trend」を追加すると発表した。「Yahoo!検索」で今後検索量が増えそうなトレンドワードを可視化できる。同ツールのサービスマネージャーである田村健さんは同日に開いた発表会で「商品企画や市場動向の観察などに生かしてもらえるとうれしい」と話した。
この機能では、「食品」「アニメ」「観光」など、約60ジャンルにカテゴリー分けされた検索キーワードの「検索量」と「話題度」を散布図として確認できる。各キーワードの位置から、今後トレンドになり得るか検討できるとしている。
例えば、散布図上の右上に位置するキーワードは「検索者数が多く、話題になっている」ことを示し、すでに話題になっているか、今後話題になる可能性が高いと判断できる。逆に、左下にある場合は「検索者数が少なく、話題にもなっていない」となるため、トレンドになるのはしばらく先になるのでは、などと考えられる。
田村さんは「調べたいニーズや市場に関連するキーワードを何度でも検証できる。時間とお金を最小限に抑え、市場調査や商品企画、販促企画などのマーケティング施策の立案、記事やコンテンツ企画のヒントやデータの裏付けなどに活用可能」と利用例を挙げる。
DS.INSIGHT Trendでは他にも、散布図データのランキング表示機能や、検索量が急上昇したキーワードを1日単位で比較できる機能、指定したジャンルの週間レポートをメールで送る機能などを備える。これらは追加料金なしで利用できる。
ヤフーは、DS.INSIGHT Trendの機能を使って今後のトレンド予測も発表。タカラトミーが7月に発表した最新玩具「BEYBLADE X」や、6月に東京都調布市にオープンした、フルーツサンドが看板メニューのカフェ「果実屋珈琲」など、10個のトピックを挙げた。
ヤフーのシニアデータアナリストの池宮伸次さんは「ヒット商品の推移傾向を見ていると、テレビやニュース、SNSなどで紹介され、検索ワードが急上昇して検索数のベースラインが上がっていく傾向が見られる。急上昇によって話題となり、徐々に認知が広がっていって、1日ごとの最低検索数が上がっていくのではないか」と分析する。
また、DS.INSIGHT Trendを設計する上で、ライト層にも扱いやすいUI/UXになるよう心掛けたという。「データ活用はまだまだ日本で発展途上なため、ヤフーが先陣を切って推進していきたい。今はまだデータ活用をしていない町のパン屋や八百屋などにも、いつかはデータを使って何か商売をしてもらえるような未来を実現させたい」(田村さん)
「データ活用をこれから始めたいと思うなら、『データをうまく使う』『分析をしよう』と身構えるというより、『お客さんのことを知りたい』『何に困っているんだろう』など、課題や目的を先に設定することがおすすめ。それに合うデータを探してあげることで、解決の糸口になることがある」(池宮さん)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR