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“楽天もうダメ説”に三木谷社長がNO 決算会見での質疑応答【全文】(2/2 ページ)

» 2023年08月10日 19時04分 公開
[吉川大貴ITmedia]
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三木谷社長の質疑応答

 インターネットやニュースを見ないのでよく分からないが、経営に絶対の自信を持っているとしか言えない。確かに楽天モバイルは巨大なネットワークを3年で作る未曽有のプロジェクトだが、そこに果敢に挑んでいる。

 その理由はやはり、利益を上げていくと共に世の中のニーズと社会的な要求に答えていくというのがある。無制限で家族4人が使うと20万円以上セーブができますよっていう社会的な意義のあるプロジェクトっていうのはほとんど他にない(注:決算会見内で、家族4人が楽天モバイルを使うと他社MNOの通信データ無制限プランに比べて通信料金を約20万円安くできると説明していた)

 これが、われわれグループ全体が一体となって進めていく決意を固めているという大きなポイント。楽天には青臭いところもあり、これを必ず実現しようという強いくらいの決意で挑んでいる。

photo 楽天モバイルの料金についての説明

 財務的には、もう間もなくグループ全体で黒字化というのも復活する。実際のキャッシュフローもポジティブになっていくところが見えている。楽天モバイルは始める前からかなりディスカウント(軽視される状況に)にあった。楽天モバイルが入ってから多少は確かに下がったが、その前からかなりディスカウントがあった。

 原因はおそらく株式マーケットとのそのミスコミュニケーションや、考え方の違いもあると思う。アナリストや投資家が多岐にわたっているインターネットのエコシステムというのをなかなか理解しにくい、ダイジェスト(要約)しにくいこともあった。なので、情報開示についても以前にはまして、積極的にしていこうと考えている。

photo ペイメント領域の組織改編についての概要

 楽天銀行や楽天証券、そして楽天カードなどのペイメント事業に関しても、言い方は悪いが「やろうと思ったらいつでもマネタイズできる」というメッセージをマーケットに送る意味合いも多少はある。

 キャッシュフローでも、楽天モバイルの収益改善だけでなく、楽天グループの収益向上も、すごいスピードで始まっている。これも含めて、セルフキャッシュフローでの返済も大きくしていきたい。それほどクリティカルではない事業については、価値次第では戦略的にマネタイズしていくというのも、資本主義の原則かなと思っている。日本の方々がこういうチャレンジを応援してくれるよう、われわれもコミュニケーションしていく必要があると思う。

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