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メルカリ、売上と純利益が過去最高 GMVは1兆円規模に 生成AIやLLM「年内に何らかの実装」

» 2023年08月10日 22時53分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 メルカリが8月10日に発表した2023年度6月期連結決算(2022年7月〜23年6月)は、売上高が前年同期比17%増の1720億円、純利益は130億円の黒字といずれも過去最高を記録した。マーケットプレイスの規模を示すGMV(流通総額)は、9846億円と「1兆円規模に成長した」(山田進太郎社長)。

メルカリの山田進太郎社長

 メルカリでは主にエンタメ、ホビー分野の取引が好調で、利用者は月間2260万人に達した。またクレジットカードの「メルカード」発行枚数は約7カ月で125万枚に達し、ビットコイン取引口座数も3カ月で53万を超えるなど、本業とのシナジーを狙ったFintech系サービスも好調に推移した。

 メルカリの江田清香CFOは「メルカード保有者によるメルカリ利用のARPUが10〜60%向上するなど相乗効果が出ている」としている。

 今後の事業方針として引き続きGMVの最大化を図る。「投資効果を慎重に見極めつつ、GMVの大幅な成長に寄与すると判断した場合は積極的な投資を行う」。そのための投資分野として、Fintechの他、生成AIやLLMなどを挙げている。

メルカード保有者によるメルカリ利用のARPUが10〜60%向上したと江田清香CFO

生成AIやLLM、年内に何らかの実装

 メルカリは今年5月、生成AIやLLMの活用を進めるグループ横断の専門チームを設置し、7月には対話形式でメルカリの商品を検索できるChatGPTプラグインの提供を始めた。ただしこれはChatGPT Plus(有料プラン)のユーザーしか利用できない。

 「その他にも何ができるのか実験的にさまざまな試みを進めている」。例えば出品したものの長期間売れていないものに売るためのヒントを出す機能をLLMで行うことでより効果的にする、あるいは商品説明文を自動作成するなど、出品者と購入者のUX向上につながる機能を検討していく。

「今まさにいろいろ開発している。今年中にはユーザーに見える場所で、何らかの実装をしたい」

メルカリの商品を検索できるChatGPTプラグイン

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