ITmedia NEWS > 社会とIT >
ITmedia AI+ AI活用のいまが分かる

「生成AIは著作権保護の検討が不十分」新聞協会など声明 「著作権法30条の4は大きな課題」

» 2023年08月18日 15時20分 公開
[岡田有花ITmedia]

 日本新聞協会など4団体は8月17日、生成AIにまつわる著作権保護策の再検討を求める共同声明を発表した。日本の著作権法第30条の4が「諸外国に比べ、AI学習に極めて有利に作られていることは大きな課題」と指摘。AIに学習させる著作物データの保護をめぐり、権利者団体と関係当局の意見交換を求めている。

画像 声明

 声明を出したのは、新聞協会と日本雑誌協会、日本写真著作権協会、日本書籍出版協会。

 生成AIは、ネット上の大量のデータを、著作者の同意なく学習して開発されているケースが多い。日本では、著作権法第30条の4により、このデータ収集は、「著作権者の利益を不当に害する」場合はを除き、著作権を侵害しないとされている。

 声明では「学習利用の価値が著作権者に還元されないまま大量のコンテンツが生成されることで、創作機会が失われ、経済的にも著作活動が困難になる」「海賊版をはじめとする違法コンテンツを利用した、非倫理的なAIの開発・生成が行われる」「元の作品への依拠性・類似性が高い著作権侵害コンテンツが生成・拡散される」といったリスクを指摘。

 著作権法に30条の4が追加された2018年の法改正では、「生成AIのような高度なAIの負の影響が十分に想定されていたわけではない」と述べ、「著作権法改正の必要性を見極める必要がある」と指摘し、「生成AIが文化の発展を阻害しないよう、技術の進化に合わせた著学研保護策が改めて検討されるべき」としている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.