ZOZOと東京大学は8月31日、採寸ボディスーツ「ZOZOSUIT」(以下、ZOZOスーツ)を使い、脊柱側湾症を検知できたと発表した。「脊柱変形に由来する体表の変形を検知する、これまでにない画期的な方法」という。
被験者は、ZOZOスーツを着用し、1.5m離れた位置にスマートフォンを設置。検証用に開発された専用スマートフォンアプリの指示に従い、30度ずつ向きを変えながら12枚の写真を撮影する。このデータからアプリ内で体表の3Dモデルを生成し、脊柱の異常を検知する仕組みだ。
検証ではコブ角25度以上の側湾症を感度95.3%で検知できたという。コブ角25度以上は、治療が必要な中等症に該当する。
思春期に多く発祥する突発性側湾症は自覚症状に乏しく、なかなか気づきにくい。学校検診にも組み込まれているが、既存の検査方法では適切な時期に検知できない問題なども指摘されていて、今回の研究成果は将来的に自宅で検査できるセルフスクリーニングツールの開発につながることが期待されるという。
ZOZOは実用化にはまだ課題も多いとしながらも、「重傷化するまで見逃されていた脊柱側湾症の症例を適切なタイミングで検知し、医療機関に誘導できるようになる」としている。
研究チームには東京大学大学院医学系研究科、次世代運動器イメージング学講座、東京大学医学部附属病院の手術部が参加した。研究結果は9月に米国の学術誌「Spine」に掲載される予定で、それに先立ち、26日にオンライン版が公開されている。
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