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「arrows」のFCNT、スマホ事業をLenovoに譲渡か TSR報じる

» 2023年09月01日 18時00分 公開
[ITmedia]

 5月に民事再生手続きを開始した、スマートフォン「arrows」「らくらくスマホ」を手掛けるFCNTが、プロダクト&サービス事業をLenovo Group Limitedに譲渡する予定だと、東京商工リサーチ(TSR)が報じた。なお、9月1日午後6時時点でFCNT、Lenovoからのアナウンスはない。

2023年2月に発表した「arrows N」。これ以降、現在までarrowsの新機種は登場していない

 報道によると、事業譲渡はFCNTが8月29日付けで東京地裁に提出した資料から明らかになったもの。6月16日付でLenovoからのスポンサー支援意向を受け、8月22日付でスマートフォンなどの開発、販売、修理といった主要事業について、事業譲渡契約を締結したとしている。Lenovoは新会社を設立した上で、日付は流動的ではあるものの、9月22日付での事業譲渡を実行する予定という。

 FCNTは、富士通のモバイルフォン事業を前身としており、2016年に富士通コネクテッドテクノロジーズとして分社化。2021年には現社名に変更するとともに富士通グループから独立した。帝国データバンクによると、2022年3月期のグループ全体(親会社のREINOWAホールディングス、その傘下のジャパン・イーエム・ソリューションズ含む)で、約1432億円の負債を抱えていたという。

スマートフォンなどの製造を手掛けていたジャパン・イーエム・ソリューションズについては、エンデバーユナイテッド、京セラ、電通国際情報サービスが共同で出資した会社を通して、すでに支援を実施している

 なお、富士通のPC事業会社だった「富士通クライアントコンピューティング」(FCCL)は、2018年にLenovoの傘下となっている。もし今回の譲渡が実施されれば、富士通を由来とするPC/携帯端末事業は、ともにLenovo下で存続することとなる。

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