企業向けコラボレーションツール「Slack」の新機能「Hide Person」が、9月6日ごろから話題になり始めている。これは特定のメンバーのメッセージを非表示にしたり通知させないようにしたりする機能。X(Twitter)では同機能について「これを使ったら終わり」「ハラスメント対策になる」など議論を呼んでいる。
Hiden Personはメンバーのプロフィールから「○○さんを非表示にする」を選ぶと適用できる。同機能は7月に発表されたが9月5日ごろから日本でも徐々に有効化されている。メンバーを非表示にすると、そのメンバーのメッセージは「This message is hidden」と表示され、メッセージの存在は分かるが投稿主やメッセージの内容は隠される。「Show anyway(とにかく表示する)」ボタンをクリックするとメッセージを開ける。該当メンバーからの通知も受信しない。
Hiden Personを適用しても、該当メンバーには通知されず、相手からは通常通りに見える。誰が誰を非表示にしているかはワークスペース管理者も確認できない。
この機能を巡って、X上ではさまざまな意見が上がっている。「業務でこれを使ったら終わり」「ビジネスの場でミュートが必要な状況はヤバい」といった否定的な意見や、「ハラスメント対策になる」「迷惑な通知を送るメンバーを無視できる」といった肯定的な意見も見られている。
また、コラボレーションツールであるSlackになぜミュート機能が追加されたのか疑問に思う声もある。米Slack Technologiesは「仕事中、集中するために静かな場所が必要なときがある。物理的な空間では外出したり、ヘッドフォンをつけたりして、集中力を保てるが、デジタル空間では境界線を設定することが難しい」と説明する。
「例えば、過去にある同僚から歓迎されないメッセージを受け取ったり、自然災害に関して心を痛めるようなメッセージを共有されたことがあったかもしれない。Hide Personを使えば、仕事に必要な情報へのアクセスも可能にしつつ、目にしたくないコンテンツを避けられる」(同社)
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