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実は円形の映像を撮っていた 親指サイズのウェアラブルカメラ「Insta360 Go 3」の実力は?荻窪圭のデジカメレビュープラス(2/5 ページ)

» 2023年09月10日 07時03分 公開
[荻窪圭ITmedia]

実は円形の画像・映像を撮っている

 Insta360 Go 3のカメラユニットは重さが35g。絞り値はF2.2。センサーのスペックは公表されてないが、約1200万画素かな、と思う。

 この35gの中にはレンズとセンサーの他にストレージ(32GB/64GB/128GBから選べる)とバッテリーを内蔵しており、単体でカメラとして利用可能だ。

 そして、これが面白いのは、実は魚眼レンズカメラであること。魚眼といっても180度にはちょっと満たないのだけど。

 普通に使っているとそんなことまったく意識する必要はないし、使っていると一瞬たりとも「魚眼である」ところは見せないのだが、撮影したRAWデータ(dngファイル)をパソコンで開くと分かる。

 これが元データ(を縮小してjpegで書き出したもの)だ。

RAWで撮影するとこのように円形の魚眼画像で記録される。だから後から縦長にも横長にも正方形にもできるのだ

 このRAWデータが一辺3040ピクセルなので、一般的な4:3のアスペクト比のセンサーを使っているとしたら、約1200万画素だろうなと想像したのである。

 あとは円周魚眼ならではの周辺の歪みを必要に応じて補正し、ここから16:9や1:1の画像を作り、最後にPureshotという自動補正をかければ同じ位置で同じアングルで複数のアスペクト比の写真を作れるのである。ただ、アスペクト比の選択肢に4:3や3:2がないのはちょっと謎。

元の画像から作りだしてPureShotをかけた16:9の画像。Insta360の専用アプリを使って作成
同じく9:16で作成した画像
同じく1:1の正方形で作成した画像

 どの向きにも対応できる元データ+ジャイロセンサーで、水平をあとから自動補正できるのだ。

 Insta 360といえば前後に円周魚眼レンズを付けた360度全天球カメラだが、その片方だけを取りだしてちょっと画角が狭い小さなレンズを付けたものをイメージすればいいかも。技術はつながってるのだ。

 って考えると、Insta 360 Goシリーズの一番のウリである(とわたしは思ってる)、カメラを回そうが傾けようがどうやって撮っても常に水平が保たれる「FreeFrame動画」の水平ロックが可能なのも分かる。「FreeFrame動画」で撮影すると、先ほどのRAWで撮った静止画と同様、元々の画角で円形の映像で記録されるのだ。だからあとから16:9にも9:16にも水平ロックもできる。

 カメラを左右に回転しながら、通常の動画と「FreeFrame動画」で撮ったものを比べてみよう。どちらも同じようにカメラを左右に大きく傾けたり戻したりしながら撮ってるが、「FreeFrame動画」はそれをまったく感じさせない。

通常の動画と水平ロック。カメラを左右に90度以上回しながら撮ってみたFreeFrame動画での水平ロックすごい

 この辺が分かってるとなんでも「FreeFrame動画」で撮っておきたくなるよね。データ量はエグいことになるけど。

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