WPシリーズのインクは、ファインライターもローラーボールも、ブラックとブルーブラックの2色が用意されている。このあたりも、万年筆っぽいのだけれど、このブルーブラックのほとんど黒だけど、よく見ると青みがかっている色合いも気に入っている。
インクブームのおかげで、今や「ブルーブラック」といっても、もうびっくりするほど様々なブルーブラックがあって、好みの色が選べるという夢のような状況なのだけど、その中にあっても、この色は良くできていると思った。主張し過ぎない青なのだ。こういう色も水性インクならではという気がする。
ついでなので、ファインライターと、某油性ボールペンと、某ゲルインクボールペンと、某水性ボールペンで書いた紙を、水で濡らしてみたのだけれど、見事に、全てのインクが何の変化もなく、そこに定着していた。それを指で擦っても何ともない。
もちろん、紙の繊維がぼろぼろになるまで浸けていたら変化はあると思うけれど、普通に使っていて、水をこぼしたとか、雨に濡れたという程度では、書いた文字は無事なのだ。つまり、日常で使うのに、さほどの不安はないということだろう。
もっとも。油性インクに比べると、乾くまでの時間は多少長いから、書いた直後に指で擦ると少し流れる。それも2秒程度待てば乾くようだし、私はあまり汗をかかないので、快適に使えているのだろう。ついでに書いておくが、手帳用紙くらいだと裏抜けもほとんどない。
万年筆的な筆記具としてのWPシリーズという点では、例えば、デザインの面でも考えられている。というか、試作の段階では、同じデザインで万年筆も作られていたそうだ。
キャップ式であることも大きいけれど、少し中心が膨らんだ形状の軸だったり、口金の形状が三角錐っぽくなっているのも、万年筆のペン先を意識したデザインなのだという。ほとんど言われなければ気がつかないレベルの話ではあるけれど、ペンをやや寝かせて書く方が気持ちよく書ける構造に、このペン先に向けての形状は、とても似合っていると感じるのは、万年筆の記憶があるからかもしれない。
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