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東京ゲームショウで話題「ゲーミングマンション」 目玉の「防音・高速ネット回線」、真相は東京ゲームショウ2023

» 2023年10月04日 10時00分 公開
[吉川大貴ITmedia]

 9月21日から24日にかけて千葉県・幕張メッセで開催したゲーム展示会「東京ゲームショウ2023」。各種新作ゲームの試遊や、“つかむキーボード”こと「Grabshell」といったハードウェアなど、今年も様々な展示が注目を集めた。しかし、現地にはひときわ異彩を放つ展示があった。その1つがこれだ。

 「ゲーミングマンション」という大きな文字に、ゲーム試遊スペースの展示。実はこれ、同名のゲーマー向け賃貸を紹介するブースだ。ゲーミングマンションは、10Gbpsの高速インターネットと防音設備をうたうゲーム好きや配信者向け賃貸住宅。建物がカラフルに光るわけではない。出展元は賃貸事業を手掛けるリブランマインド(東京都板橋区)で、現地では他にも、住宅の特徴を説明する大型パネルなどを展示していた。

 賃貸のネット回線といえば、実際に入居してみると思うほど速度が出ないことも少なくない。防音性についても同様で“回線ガチャ”“賃貸ガチャ”と揶揄(やゆ)されるケースも見られる。一方、このゲーミングマンションは「もうガチャとは言わせない」を売り文句の一つとして掲げる。一体、どんな賃貸なのか。

世田谷経堂に「ゲーミングマンション」 住宅の仕様は

 今回、リブランマインドが東京ゲームショウで宣伝していたのは、2023年12月に竣工予定の「ミュージション plus 世田谷経堂」(東京都世田谷区桜上水一丁目21番14号)だ。公式サイトによれば鉄筋コンクリート造りの5階建てで、最寄り駅は小田急小田原線経堂(徒歩12分)。部屋は1Kと2K、2LDKが存在し、総戸数は24戸という。

photo 建設中のミュージション plus 世田谷経堂(公式サイトから引用)

 防音性能については、窓に二重サッシなどを採用することで「D-85」を実現。大声での会話やカラオケの演奏が、部屋をまたぐと置時計の秒針が動く音程度にまで減衰するという。

 ゲーム実況などをする配信者に配慮した設備も用意。例えばインターフォンは来客を音ではなく光で知らせるものを採用。天井のレールにアース付きコンセントを一つ設け、配信映えする部屋のレイアウトを構築しやすくした。

肝心のネット回線は? 各戸に最大10Gbps

 インターネット回線についてはNTT東日本の「フレッツ光クロス」を導入。各戸に「最大10Gbpsの高速回線を用意した」(同社)という。また、LANケーブルには「CAT6A」という規格を採用している。

 「マンション自体の回線速度はもっと高速なのに、CAT6の対応速度が1Gbpsまでのため、実質的に1Gbps程度しか使えないケースもある。CAT6Aを採用することで、そのようなことがないようにした」(同社)──というのが、ゲーミングマンションの強みという。なお、家賃などは未定だ。

【訂正:2023年10月4日午後12時27分】当初、「各戸に10Gbpsの回線ではない」としておりましたが、誤りでした。訂正してお詫び申し上げます。

ゲーミングマンション誕生のワケ 最初はミュージシャン向け賃貸

 ちなみに、ゲーミングマンションはこれで3件目。1件目は東京都品川区のマンションの一部フロア、2件目は浅草に建てた物件をゲーミングマンションとして売り出した。

 そもそもリブランマインドはミュージシャン向けに防音設備の賃貸を提供していた企業だ。しかしコロナ禍以降、突然需要が急増。入居希望者にアンケートを取ったところ、最も多い理由は「ゲーム実況などの配信がしたいから」だった。そこでゲーマー向け住宅に需要があると判断し、品川や浅草の物件、そして今回のミュージション plus 世田谷経堂につながったという。

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