総務省は10月23日、いわゆる「プラチナバンド」こと700MHz帯の基地局開設計画について、楽天モバイルを認定したと発表した。同社初のプラチナバンド獲得となる。今回の周波数割り当ては3MHz幅×2で、楽天モバイルのみが申請していた。
割り当ては、770MHz〜773MHzの3MHz幅(上りは715〜718MHz)。当初は、早ければ2023年12月にも電波を発射できるとしていたが、地上デジタル放送や特定ラジオマイクなどの帯域に近いこともあり「関係する皆様にできる限りご迷惑をおかけしないよう、丁寧に調整を進めていきたい」(楽天モバイル)とのことから、総務省に提出した開設計画では2026年3月ごろスタートに設定していた。
一方で、総務省に提出した開設計画は「だいぶ保守的に見積もった」ものとしており、2024年中でのサービス開始を目指すという。「プラチナバンドの価値をお客様にいち早く享受いただくことが割り当てていただいた通信事業者の責務」「なるべく速やかに1日でも早く運用できるよう準備を進めていきたい」としている。
開設計画では、認定期間終了時の特定基地局(700MHz帯)の開設数を1万661局、人口カバー率を83.2%と設定。令和15年度末までの累計で、特定基地局に対し544億円の設備投資を行うとしている。
もともと、楽天モバイルへのプラチナバンド割り当ては、ドコモ、KDDI、ソフトバンクが保有するバンドを楽天モバイルに再割り当てする方向で議論が進んでいたが、“虎の子”ともいえるプラチナバンドを一部手放すことになるうえ、3社合計で3000億円近くともいわれる再割り当て関連コストも各社が負担する必要があり、各キャリアは反発していた。
その後、NTTドコモの提言により特定ラジオマイクや高度道路交通システム(ITS)で使われている700MHz帯周辺に、3MHz幅×2の空きがあることが判明。新規で割り当てられないか検討を開始し、フィルターの挿入など各種対策を施すことで共用が可能であると分かったことから、同帯域幅を割り当てる方針となった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR