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電気シェーバー「5年保証」を実現できた理由 シェア4位の老舗メーカーは何をしたのか?知らないと損!?業界最前線(2/4 ページ)

» 2023年10月28日 07時00分 公開

1939年創業の老舗メーカー

 マクセルイズミは1939年に創業し、1956年から電気カミソリ刃の製造を行ってきた泉精器製作所がルーツの国内メーカーで、国内外メーカーの電気シェーバーの刃や製品をOEM製造してきた。そして09年にイズミブランドとして、電気シェーバー市場に本格参入。経営危機を経て、18年にマクセルグループ入りし、マクセルイズミとなった現在も数多くの電気シェーバーを展開している。

マクセルイズミの歴史は、実は65年以上ある、シェーバーの刃をつくり続けており、09年以降は多くの自社ブランド製品を展開している(製品発表会にて筆者撮影)

 「everedge IZUMI PREMIUM」は、6枚刃を採用するフラグシップシリーズだ。一番の特徴は、替え刃の交換が5年間不要という高い耐久性を実現したことにある。

 電気シェーバーの刃は、1〜2年で交換するのが一般的。刃先が丸くなって剃り味が悪くなった電気シェーバーは効率よく剃れなくなったり、ひげを挟んでしまったりして、使い勝手が悪くなる。

 そこでマクセルイズミは、刃を交換することなくより長く使い続けられる電気シェーバーをコンセプトに新製品を開発。創業以来培ってきた製造技術や曲げ加工により、硬度が高いオーステナイト系ステンレス鋼を外刃、内刃に採用した。

外刃の耐久試験のデモンストレーション。人肌に近いシリコンにヘッドを押し当てて、外刃の摩耗を試験。91時間以上の耐久性を確認している

 さらに実使用と同じ条件で検証できる耐久試験機を独自に開発。毎日3分のひげ剃りを5年間行うことを想定し、約91時間の摩耗試験を繰り返しながら刃を改良した結果、切れ味と耐久性を実現した。

 こうして出来上がった5年間切れ味が落ちない刃を、マクセルイズミではサステナブル意識に対応できるという意味を込めて「長寿命刃(サステバ)」と命名。これを「everedge IZUMI PREMIUM」シリーズに搭載したのだ。

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