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「HHKB Studio」でPFUが狙う新しいユーザー層とは? あとポッチを赤くしてみた(3/5 ページ)

» 2023年11月06日 19時22分 公開

 また、これはHHKBユーザーミートアップ Vol.7のトークセッションで明かされたことですが、今回の開発には、HHKBエヴァンジェリストの何人かが途中から参加しており、責任者が泣きたくなるほどのダメ出しがされ、その結果の結実ともいえるわけです。そう、われわれユーザーの代表がすでにダメ出し済みであったというのは、実にうれしい限りの話です。

 そして、気づけばみんなHHKB Studioのあたらしい打鍵感の虜となっていくわけです。

 同じく開発にかかわった有山さんが「突然親が決めた許嫁が現れた感じ」とHHKB Studioのことを形容したのは、まさにこの部分なのです。もちろんその許嫁とは幸福になるわけですね。

 また、b8ta有楽町店に長蛇の列ができたのは、この新しいHHKBの打鍵感を確認したいというユーザーの気持ちだと思います。こればっかりは触れてみないと納得できないという人が多いのは、ここまでの話で納得できるのではないかと思います。

 また、製品開発にかかわった1人であるびあっこさんが、イベント終了後にそのままもう1台購入しているのは、そのクオリティの高さを示すものではないかと思います。

 そりゃ、開発に4年も掛かるわけです。また、これもイベントで明かされたことですが、その4年の開発期間のうち、半分ぐらいの期間というのは、HHKB Studioをどういう方向にしていくのか? という開発方向の模索に時間がかけられたということです。そして、それが形になっているのが、次に紹介する新要素です。

 ハードウェア面で大きく変わったのが、ポインティングスティックとジェスチャーパッドです。

ポインティングスティック

 赤ポチで知られるThinkPadの代名詞でもあるトラックポイント。すでに特許も切れているということ、そしてホームポジションから手を離さないために採用されました。ただ、このポインティングスティック、それなりに難敵なデバイスでもあります。

 そして、今回のHHKB Studioのポインティングディバイス、ThinkPadユーザー以外からは文句は出ないのではないかなというレベルではあると思います。マウスカーソルの中央ボタンと数字キーでスピード変更可能で、さらにマウスカーソルの中央ボタンとGBキーで微調整可能であるのがすばらしいです。これはマルチポイントで接続可能なBluetoothキーボードであることを考えると、OS別のすぐにマウスのスピード変更が可能になるからです。つまりHHKB StudioのポインティングディバイスはOS依存ではないということです。これはちょっとすごい。

 ただし、往年のThinkPadのトラックポイントが実現していた、強く力をかけるとすばやく、弱く力をかけると細かく動きという部分では、物足りなさを感じてはいます。ここは今後ファームウェアアップデートで向上されてほしい部分ではあります。

 とはいえ、こんなことを気にするのは、マウスなしですべてのことをやりたい一部ユーザー(私のことですが)だけなのかなと思わないわけではないです。

 そして、現状の出来栄えでもブラウズ中心のときはマウスを使い、書くことに集中するときはポインティングスティックを使うという使い分けができるのがホントすばらしいことです。そう、ポインティングスティック=キータイプに集中という縛りのように働くのです。

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