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「HHKB Studio」でPFUが狙う新しいユーザー層とは? あとポッチを赤くしてみた(4/5 ページ)

» 2023年11月06日 19時22分 公開

ジェスチャーパッド

 それに対してまさしく新機軸となったのが、ジェスチャーパッドです。これについては、2週間程度の試用では、まだまだ答えが出ないというのが正直なところです。というのも、ジェスチャーパッドを使うということは、そのときは手はホームポジションから離れるわけで、ここはHHKBがここまでやってきた思想とは違う方向であり、今回のHHKBの新製品がStudioという名前であることと関連してくるからです。

 個人的には本体の左側は画面のスクロールで、本体の右側は音量の上下、手前の左右のジェスチャーパッドは模索中という感じです。ここはまさにどういうアプリを中心にして使うかという部分とかかってくるので、かなり個々人で設定の差が出てくる部分だと思います。

変わったり変わなかったりするHHKBオプション品

 ということで、HHKB StudioはHHHBに近いキータッチを実現しつつも、設計思想的にはまったく違うキーボードです。そうなってくると、オプション品も変化したりしなかったりしています。

 変化したのはパームレストです。これはやむを得ません。なにしろ、キーボード本体の手前にジェスチャーパッドがあるのですから、これまでのパームレストではジェスチャーパッドが隠れてしまうのです。そのため、これまでのパームレストよりも高さの低いものが新設計されています。

 変化しなかったのは、キーボードカバーです。つまり、ここは従来のHHKBとまったく同じサイズなのです。なるほど、ここにもこれまでHHKBを使っている人であれば、自然と手になじんでくる秘密が隠れていたわけです。

キーボードカバーは従来のHHKBと同じサイズ

 昨今、好きなものにはまっていくことを「沼」と表現することが広まっています。もちろん、キーボードも沼の1つです。もちろんあれこれとジャンルはあるのですが、ここでは細かい説明は省きます。

 これまでのHHKBというのは、ある意味キーボード沼とは少し距離のある感じがありました。なぜなら、HHKBの完成度が高いので、そこに自分を調整していく方が効率がよかったからです。

 ところが、今回のHHKB Studioにはカスタマイズの余地がたくさんあります。そういう製品を触っていると、これはどうしてもカスタマイズしたくなる気持ちを止められないのです。

 一つには日々使うポインティングスティックの速度調整。

 私はマウスキー中央ボタン+1にして、マウスキー中央ボタン+Gを2回押すで落ち着きましたが、もう少し微調整するのではないか? とも思っています。

 実はHHKBミートアップの冒頭、和田先生は「私はこれまでのType-Sで十分だが、Happy Hackingにキーボードを使うのであれば、それはもうHHKBでいい」とおっしゃっていました。

 これまでのHHKBは、まず至高のキーボードとしてのHHKBというものあって、その思想を受け入れて使うものでした。だから、同好の士が自然と集まってきます。

 でも、今回のHHKB Studioは、その思想を持ったまま、キーボードを自分の使い方に染め上げていく類いのものです。

 そこには、これまでのHHKBの同好の士に加えて、もっと自分用のカスタマイズをしていくことを喜びとする人たちも集まってくることになるでしょう。つまり、このHHKB Studioのおかげで、自作キーボード界隈にHHKBユーザーがなだれ込んでいく未来も考えられるわけです。なお、ポインティングスティック周辺の「G」「H」「B」のキートップについては、さすがに特殊キーなので、後日3Dデータを公開する予定であることも明かされています。

「G」「H」「B」のキートップは特殊なので、後日3Dデータを公開する予定

 実際、今キートップ、キースイッチ、トラックポイントのキャップ情報を探し出している自分がここにいます。当初、私はThinkPadでもないものに赤いポッチをつけることを若干受け入れられませんでした。でも、赤いポッチに目がなじんでいると、気づけば赤いポッチを目が探していることに気づきました。赤いポッチなんて、そこにはないのに……。

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