ソニーの「α9 III」が11月7日の深夜に発表されたのである。オンラインで英語のみという発表ではあったけど、その中身がすごかった。とうとう時代が一つ進んだのである。
ステージ上で担当者がカメラを掲げたときの満面の笑みがそれを表している。
それがまったく新しいイメージセンサーの搭載だ。待ちに待ったグローバルシャッター方式CMOSセンサーの登場である。
グローバルシャッターと急にいわれても、という人もいるだろうから最初にちょっと解説を。デジタルカメラのシャッターにはメカシャッターと電子シャッターがある。メカシャッターはイメージセンサーの前に物理的な「シャッター」を置き、シャッタースピードをシャッター幕のスリットでコントロールする。だからセンサー側は光が来るのを待っていればいい。
ただ物理的な機構が動くので、シャッタースピードの高速化や連写速度に限界がある。どうしても微細な振動は発生するし、シャッター音もする。
電子シャッターは、CMOSイメージセンサーの機能だけで撮影するのでシャッタースピードの高速化や連写の高速化を図れるし、振動もないし、無音での撮影が可能だ。
最近のカメラだと、メカシャッターだとシャッタースピードが最高1/8000秒だけど、電子シャッターなら1/32000秒という機種も珍しくないし、電子シャッター時のみ高速連写可能というカメラも普通にある。
ただし、従来のCMOSイメージセンサーには大きな欠点があった。
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