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ドコモの回線品質、「後追いの状況を深く反省」と井伊社長 NTTからは「120%改善」の発破も

» 2023年11月08日 13時00分 公開
[山川晶之ITmedia]

 モバイルネットワーク品質の低下が叫ばれているNTTドコモ。11月7日に2023年度第2四半期決算を発表したNTT代表取締役社長の島田明氏は、決算会見の場で「追加で300億円入れてしっかりパワーアップさせる」と、子会社であるドコモの早急なネットワーク強化を約束した。

NTT代表取締役社長の島田明氏(写真:NTTドコモ提供)

 ドコモではネットワーク品質改善のため、東名阪を中心とした全国2000カ所と50を超える路線において、「MU-MIMO」による通信の高速化・大容量化と、5Gの上り品質を改善するための機能実装などを進めていくとしている。この達成度を2023年12月までに90%、24年3月を目標に100%完了する予定という。これを実施するにあたり300億円の追加投資を決定している。

SNSの声や自社アプリのトラフィックなどからネットワークの混雑を予測。対策エリアを特定しているという

 島田社長は「まだ路線の一部で課題があるのは事実」とし、「12月までにドコモは90%と言っているが、できるだけ早い段階で100%、いや120%まで持ち上げたい」と発破をかけた。続けて「トラフィックはこれからも増える。コロナが開けて(トラフィック量が)1.7倍になり、さらに映像系を屋外で使う方がどんどん増えていく。それに備えていきたいし、われわれもAIを自ら作ったので、その組み合わせで品質向上に全力で取り組んでまいりたい」とした。

 NTTからの「120%」という発言に対し、ドコモの井伊基之社長は「ドコモの品質でご心配を掛けたので、島田社長から檄を飛ばされたと受け止めている」とし、「2000の点と50を超える路線を追加投資をしてでも完了させる。それを100%として考えるとそれ以外の点と線もしっかり増強しなさいという風に受け止めている。つまり苦情が出る前に予測して先に手を打ちなさいということ。後追いになっている今の状況を深く反省して、しっかり進めてまいりたい」とした。

 ドコモではSNSの声だけでなく自社アプリを使った品質情報の取得も進め、ネットワークの改善に活用する。「アプリ利用時のユーザー体感において、他社のキャッチアップにとどまるだけでなく、お客様から本当にご満足いただけるような改善を進めてまいりたい」(井伊社長)

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