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クラウドスイッチャーは放送局に浸透するか ソニー担当者に聞く「新たな一手」小寺信良の「プロフェッショナル×DX」(2/4 ページ)

» 2023年12月21日 19時00分 公開
[小寺信良ITmedia]

ターゲットはどんなユーザー?

――前回は2年前にM2 Liveを取材させていただきました。今回の「M2L-X」はオンプレミスでも動くところが大きいと思うんですけど、システムの規模としても大きくなっているんですよね?

前川 はい。現状は24入力までを想定しております。現行のM2 Liveは6入力プラス2クリッププレイヤーですから、3倍ぐらいになってます。ただ両方ともこれからさらに育っていくので、M2 Liveも今後入力数を増やしたりと、双方の機能が一緒になっていくっていうところは、目指してるところではあります。

――従来のM2 Liveも併売されるわけですけど、市場性やクラス分けといったことは、どのように考えていけばいいんでしょうか?

塚本 M2 Live、SaaS型につきましては、入力数も6プラス2というところもありますので、例えばケーブルテレビさんでやってらっしゃる地元のスポーツ番組だとかお祭りだとか、そういったところで使いやすいのかなと思っています。機動性もありますし、ハードウェアとして買ってしまうのではなく、そのイベントがある時だけ使えるというメリットがあります。

 加えてスポーツイベントで使いたいというお声に対して、スローリプレイ機能と、収録機能も追加しました。アマチュアスポーツとかその辺りまで含めて、M2 Liveはかなり便利に使っていただけるかなと思っています。

 一方M2L-Xは、それよりももうちょっとレンジを上げたところをご提案していきたいなと思っています。入出力数もそうですし、ハードウェアのパネルを使えるっていうところもありますので、プロユースのところで使っていただきたいと。

――24入力もあるってことは、やっぱりブロードキャストレベルの商品なのかなと思うんですけれども、日本の放送局のマインドからすると、スイッチャー自体をクラウドに置くのはちょっとなっていうのはあるような気がしています。それで今回、オンプレミスでも動くようにしたのかなとも思ったのですが

塚本 今はまだそうだと思います。まだやはり皆さん、特に放送の本線でソフトウェアスイッチャーを使うってところのチャレンジって、これからだと思うんですよね。ただスタジオサブの数だとか、中継車をハードウェアで数多く持てるかというと、なかなかそこまで投資がしきれない状況もあると思ってます。そういったお客様に対して、例えば汎用サブをセンターにおいて、今日は誰々が使い、次はまた別の番組が使い、みたいなこともできるようになっていくと思いますので、 そういった意味でも柔軟にプラットフォーム展開できるっていうのが重要かなとは思ってます。

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