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今年はどんなデジカメが登場する? メーカー動向と技術トレンドから予想してみる荻窪圭のデジカメレビュープラス(1/3 ページ)

» 2024年01月07日 15時55分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 2024年にはどのようなデジカメが登場するのか、メーカーの製品動向と技術トレンドから予想してみよう。

 まず2023年に出たデジカメを振り返ってみると、実はそんなに多くないことが分かる。

 キヤノンが発売したデジタル一眼は「R8」と「R50」と「R100」の3機種。すべてエントリー系だ。

α6700。コンパクトで速くて賢くて、非常に好印象なAPS-Cモデルだった

 ソニーは「α6700」と「α7C II/R」の3機種……だけど「C II」と「C R」は同じボディのセンサー違いだ。VLOGCAMだけど「ZV-E1」も23年だ。どれも同じ系統のボディでファインダー部がずこんと飛び出たモデルは出てない。α6700以外はエントリー系だ。

 ニコンは年初の「Z 8」と秋の「Z f」。性能重視のハイエンド機と趣味性重視のカメラという組み合わせがニコンに似合ってる。

 他のブランドはというと、富士フイルムは「X-S20」と「GFX100 II」。カジュアルな小型モデルと超ハイエンドな大型モデルだ。

 パナソニックは「S5 II」と「G9PRO II」。同じボディでフルサイズとマイクロフォーサーズという展開だ。

 OMDSはなし。アウトドアカメラの「TG-7」のみ。

 ペンタックスは「K-3 III」のモノクローム専用版である。

 と、23年に発売されたデジタル一眼を並べたら、400文字(昔でいう原稿用紙1枚分)で済んでしまった。

 デジタル一眼レフ全盛期に比べると少ないけど、一時期に比べるとバリエーションが増えてきてちょいと期待が持てる。特に、エントリー機……と言っちゃうと語弊があるけど、小型軽量で価格も手頃なカジュアルなモデルがやっと充実してきたのだ。

 中・上位機は一眼レフからの移行やガチなカメラ勢にはいいけれども、新しくカメラを使ってみたいという人には価格的にも使い勝手的にもハードルが高い。それにカメラを使う人がみな自分で露出やフォーカスをコントロールして作品を撮りたいってわけじゃないしね。

 裾野を広げるには、カジュアルなモデルとカジュアルなレンズが必要なのだ。

 そういう意味ではキヤノンのEOS R8やR50、ソニーのα7C IIや富士フイルムのX-S20はいい。ニコンのZ fはより趣味性が高いモデルとして魅力的だ。

24年はどんなモデルが出る?

 1月にはまず、パナソニックの「G100D」が控えている。

24年1月発売のG100D。G100のマイナーチェンジだけど小さくて可愛い

 さらに、ニコンは「Z 5」や「Z 50」からかなり時間が経っているので、カジュアルモデルをリニューアルするにはいい時期だ。

 気になるのはOMDS。PENで一世を風靡したオリンパスだったが、新会社は「OMデジタルソリューションズ」。PENシリーズがどうするのか気になるところなのだが、何か出しそうな気はしている。

 それがPEN系のデザインになるのかOM系のファインダー部がとんがったデザインになるのかは分からないけれども、個人的にはファインダーを内蔵したシンプルでクラシカルなデザインのPENが出たら面白いよな、という気はしてる。

 というわけで、24年は軽くて小さくて可愛くて安くてデジタル一眼ならではの写りを楽しめてクラシカルなボディを楽しめるカジュアルなモデルがOMDSとニコンから出る、といいな……言ってみただけだけど。

 キヤノンは一通りそろえたので、タイミング的にはR5の後継機かなと思うけど、カジュアルからハイエンドまで揃ってしまっただけに次がよく分からない。まさかEOS RのVLOG機?

 ソニーはVLOGCAMがカジュアルモデルの座に座ってるので、時期的にZV-E10の“II”は確実にくるだろうな。

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