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Steam、生成AI使ったゲームの提供を“ほぼ解禁” しかし「今後再検討の可能性も」と慎重な姿勢

» 2024年01月10日 14時46分 公開
[松浦立樹ITmedia]

 PCゲーム配信サービス「Steam」を運営する米Valveは1月10日、Steam上でのAI技術を使ったゲームの取り扱い方法を変更すると発表した。Steamではこれまで、生成AIを活用したゲームの配信を許可しない方針を示していたが、方針を変更。生成AIを使ったゲームの大半をリリース可能にするという。

「Steam」で生成AI使ったゲームの提供が“ほぼ解禁”に

 AIを活用したゲームを配信するに当たっての仕組みも新たに整備。まず、開発者がSteamにゲームを提出する際に記入するアンケートに、AI技術に対する項目を新設するという。アンケートでは、ゲーム開発時にAIが生成したイラストや音楽、コードなどを利用したかどうかや、プレイ中にAIが違法なコンテンツを生成しないかなどを問う。

 Valveはアンケートの回答を審査し、Steamで配信可能かを決める。配信する場合でも、開示された情報の多くをSteamの商品ページに掲載する。AIが生成したコンテンツを使って開発したゲームだけでなく、ゲームプレイ中にリアルタイムでコンテンツをAI生成するタイプのゲームも、同様の措置を取った上でリリースを認める。

 ただし後者には例外もあり、プレイ中にAIで性的コンテンツを生成できるゲームはリリースを許可しない。そうでない場合も、AIが違法なコンテンツを生成しないようにどんな措置を講じたか、開発者に対し説明を求める。プレイヤー向けにも、違法なコンテンツの生成を確認したとき用の通報窓口を設ける。

 Valveは2023年6月ごろから「法的に不透明な領域を持つ」などの理由でAI技術を含むゲームの配信を許可しない方針を示していた。今回、方針を変更した経緯については「この分野の現状とリスクに対する私たちの理解の深まりと、AIを使用しているゲーム開発者やAIツールを構築している開発者との対話をへた現時点での結論」と説明している。

 一方で「この件(生成AI)に関してはもうしばらく検討が必要」とも説明しており、今後提出されるゲームや、AI関連の法律の整備状況を見つつ、必要に応じてAI技術の取り扱いを再検討するという。

Steamが発表した文書

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