NECは1月17日、老舗パン屋木村屋總本店と協力し、AIを使って蒸しパン「恋AIパン」を開発した。恋愛番組に出演者たちの会話や、フルーツやスイーツが登場する曲の歌詞をAIで分析。恋愛感情を食品と結び付けて「運命の出会い味」「やきもち味」など5つのフレーバーのパンを作った。
開発の経緯にあったのは、木村屋が抱える若年層の新規顧客や認知獲得に対する課題だ。この課題を解決するため、若年層に関する市場調査をしたところ、“恋愛離れ”が進んでいることが判明。そこで、Abema TVの恋愛番組「今日、好きになりました。」に着目し、これを活用して、恋愛をテーマにした商品開発に乗り出した。
NECは、同番組内の出演者の会話15時間分をテキストとして抽出。その中から、出会いや告白、初めてのデートなどの恋愛シーンを分類し、各感情をスコア化して傾向を可視化した。また、約100万曲の日本語の歌詞データベースから、183種類のフルーツやスイーツなどの言葉を含む約3.5万曲を抽出。それらの歌詞もスコア化して、食品のイメージと感情の傾向を分析した。
これらの歌詞データと番組の会話データを組み合わせ、恋の感情を表現する食品上位50種をリストアップ。木村屋の蒸しパン職人が相性の良い組み合わせを選び、パンを作った。また、商品パッケージなどの商品解説文には、NECが開発する大規模言語モデル「cotomi」を活用した。
今回開発した恋AIパンは2月1日に関東近郊のスーパーや木村屋オンラインショップにて順次発売する。第1弾は「涙の失恋味」「結ばれる両想い味」で、以降3月には「やきもち味」、4月には「運命の出会い味」「初めてのデート味」を展開する予定。
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