AWSジャパンは1月31日、大規模言語モデル(LLM)の開発支援プログラム「AWS LLM開発支援プログラム」の成果報告会を開催した。これまでは非公開だったが、NTTがプログラムに参加していたことも明らかになった。
AWS LLM開発支援プログラムは、2023年9月にスタート。対象企業17社に総額600万ドル規模の利用料補助や、技術支援などを提供するもので、サイバーエージェント、rinna、Preferred Networksなどが採択されていた。
NTTは当初、プログラムへの参加を発表していなかった。当時は「発表の準備が間に合っていなかった」(NTT人間情報研究所 西田京介上席特別研究員)といい、今回の成果発表会に合わせて公表した。対象企業の一覧は以下の通り。
NTTは、23年11月に発表したLLM「tsuzumi」の開発に当たってAWSの支援を受けた。AWSはNTTに対し、GPU「NVIDIA H100」96基や、GPUクラスタの構築・運用についての技術支援を提供。NTTはAWSからの支援に加え、自社で保有するGPUや、産業技術総合研究所が提供する計算資源「ABCI」を活用してtsuzumiを開発したという。
tsuzumiは日本語と英語に対応するLLM。パラメータ数6億(超軽量版)と70億(軽量版)の2種類が存在し、3月から商用サービスを開始する予定。4月以降も多言語対応やマルチモーダル対応などを進め、順次商用サービス化するという。
成果発表会ではこの他、サイバーエージェントやリクルート、リコーといった参加企業が、発表済みのLLMなどについて講演。自社モデルの特徴や今後の展望について説明した。このうちリコーは、米Metaの「Llama2」をベースにしたパラメータ数130億の新モデルを、講演に合わせて発表。春をめどに、国内向けに商用サービス化する方針や、700億パラメータのモデルも開発に向け準備中だと明らかにした。
発表会には経済産業省の小川宏高さん(商務情報政策局 情報産業課企画官)と、AWSジャパンの長崎忠雄社長も登壇。小川さんは各社の技術開発に対し「多くの技術開発が行われることに心強い思い」と、長崎社長は「LLMは開発して終わりではなく、社会実装がキモ。LLMのさらなる発展に引き続き協力したい」とコメントした。
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