　「永遠に完成しないオフィス、データで進化し続けるアジャイルな形のオフィスを作る」──イトーキは2月14日、オフィスの活用情報などを使ったデータ活用事業に参入すると発表し、こんな方針を掲げた。センサーなどでオフィスの利用状況や社員による活動を可視化するソリューションなどを新たに提供。情報はデータ基盤に集約の上で分析し、オフィスのリニューアルや改善を継続的に支援するという。

　イトーキがリリースしたのは、（1）IoTセンサーや社員のスマートフォンにインストールしたアプリなどでオフィスワーカーの位置情報や活動を可視化する「Workers Trail」、（2）社員アンケートの回答などを基に個人のパフォーマンスを分析する「Performance Trail」、（3）各ツールで得られたデータや、既存オフィスの情報を集約・統合する基盤「ITOKI OFFICE　A/BI PLATFORM」、（4）それぞれのデータを活用し、オフィス作りのコンサルティングを行う「Data Trekking」──だ。

　Workers Trailは専用のIoTセンサーを活用し、位置情報や座席・会議室の利用情報などを取得するソリューション。在席管理や会議室・座席の予約機能なども提供する。一方のPerformance Trailは社員へのアンケート情報などを基に、個々人のコンディションやパフォーマンスを分析・可視化するサービスという。

　ITOKI OFFICE　A/BI PLATFORMにはこれらのデータを匿名化・暗号化した上で集約。イトーキの専門家が独自開発したツールを活用して一連のデータを分析し、オフィスのリニューアルやその後の運用をコンサルティングする──というのが、同社が想定する流れだ。

サービスの全体像

　さらに、顧客の声から得られた情報を基に、Workers TrailやPerformance Trail以外のアプリケーションも開発する予定だ。新アプリケーションは年内にもリリースする見通しという。サービスは一連の流れをパッケージ化しての提供を見込むが、一部を省略し、短期間化した「簡易版」も提供する。料金のモデルケースは以下の画像の通り。

料金のモデルケース

　「オフィスは『作ったら終わり』ではなく作ってからが本番。環境の変化が急激になっている今、オフィスも人の活動に合わせて最適化しなければ、どれほど良いオフィスでも生産性が下がる。そこで重要になるのがデータ。働き方と働く環境をデータでとらえ、常に関係性をモニタリングしながら、ミスマッチを早期に発見、改善していくプロセスが必要になる」（長尾和芳常務執行役員）

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