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“アホ携帯”で見直す、スマートフォンと生活の適切な距離感小寺信良のIT大作戦(1/3 ページ)

» 2024年02月28日 17時30分 公開
[小寺信良ITmedia]

 先日、AndoridのスマホをPixel 6aからPixel 8へ機種変更した。最近のワイヤレスイヤフォンはBluetoothで直接接続する前に、専用アプリから認識させるタイプのものが増えているが、Pixel 6aではうまく認識できないことがあって、レビューの際に困っていたのである。

 で、実際Pixel 8が届いたわけだが、およそ2世代違う割には、動作速度などの体感はほとんど変わらない。ガリガリにゲームをやるわけででもないので、性能をキリキリ絞り出すような事もない。日常的な使い方の範囲では、2世代分の進化は筆者にはあまり分からない。

 米国では「Light Phone」というのが一部で人気だという。「Dumb Phone(アホ携帯)」ともやゆされるシンプルなスマートフォンは、初号機はあまりにもシンプルすぎたが、アメリカの人気ラッパー、ケンドリック・ラマーがプロデュースした「Light Phone II」は、メイン機として乗り換える人もあるという。

「Light Phone II」

 できる事といえば、電話とメッセージ、アラームや電卓などのユーティリティー、ブラウザもあるのでWebサイトにもアクセスできるようだ。音楽プレーヤーも内蔵し、ヘッドフォンジャックとBluetoothで音楽も聴ける。ディスプレイはモノクロの電子ペーパーというところから、できることが限られているのが分かる。つまりSNSや動画サイトへアクセスしても、レスポンスは期待できないわけである。

 最初はいわゆるガラケー的な、あえて不便を楽しむ製品なのかとも思ったが、プロモーションの動画を見ると、どうもそういうことでもないようだ。そこに描かれているのは、子供達を送り迎えしたり、ローラースケートを楽しんだり、絵を描いたり、愛する人に電話している普通の人々だ。

 そういえば、少し前まではこうした生活が当たり前だった。それがいつの間にかわれわれは、スマホ片手どころか、暇さえあればスマホを両手持ちしてSNSに見入ったり、何かを入力していたりしている。顔を上げて、ちゃんと目の前の人と向き合う時間は、どこへ行ったのだろうか。

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