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チケット1000枚完売の自作キーボード即売会「キーケット」写真&動画レポート “幻のキーボード”再現も(3/6 ページ)

» 2024年03月03日 22時00分 公開
[井上輝一ITmedia]

押下状態を無限段階で得られる「自作磁気式キースイッチ」

 サークル「famichu」のfamichuさんは、自作の磁気式キースイッチ「MagLev Switch」シリーズを販売していた。

自作の磁気式キースイッチ「MagLev Switch」シリーズ

 一般的なメカニカルスイッチは、内部にバネを設けることで押下後に元の高さに戻している。そして押下時には金属的な接点が接することで通電しオンとなり、押下をやめて元の高さに戻るとオフになる仕組みだ。

 これに対し、磁気式キースイッチではキースイッチのボトムとトップそれぞれに磁石を備え、同じ極どうしの反発力をバネのように使っている。さらに「ホールセンサー」という磁気センサーで磁界の変化を連続的に取得。オンとオフの2値ではなく、ホールセンサーが対応する限りの無限段階の出力を得られる。「HHKB」や「Realforce」が採用する「静電容量無接点スイッチ」と同様に無接点であるため、バネや接点の摩耗の心配はない。

MagLev Switchの中身MagLev Switchの中身 MagLev Switchの大きな模型 上下に磁石が固定されていて、磁石どうしの反発力を利用している

 しかし、スイッチの連続的な値の変化をキーボードでどう扱うのか。famichuさんは「例えばゲーマーの人向けには、浅い押下でオンになり、少し戻しただけでオフにするような設定がおすすめ。他にはキーボードを音楽演奏に使う人なら、連続的に音程が変化する楽器に使ってもいい」という。

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