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OpenAI、サム・アルトマンCEOの取締役復帰と3人の新取締役追加を発表

» 2024年03月09日 12時26分 公開
[ITmedia]

 米OpenAIは3月8日(現地時間)、共同創業者のサム・アルトマンCEOが取締役に復帰すると発表した。また、新たに3人の女性の取締役を追加することも発表した。

 openai

 同社はまた、アルトマンCEOを昨年11月に解任した件について、外部の法律事務所に独立した調査を依頼していたことも説明した。

 調査の結果、アルトマン氏が取締役会とのコミュニケーションで「一貫して誠実でなかった」として解任された理由は正当であったものの、アルトマン氏自身の行状が解任を義務付けるようなものではなかったと判断された。これを受け、OpenAIはアルトマン氏の取締役会への復帰を認めた。アルトマン氏を解任した当時の取締役会は、この解任が会社に混乱をもたらすとは予期していなかったとしている。OpenAIは調査報告書の全文を公表していない。

 同社はさらに、利益相反ポリシーや内部告発ホットラインの新設など、運営のガバナンス強化にも着手していると説明した。現在、米証券取引委員会(SEC)によるCEO解任関連の調査が続いている。

 アルトマン氏のCEO復帰段階の取締役会メンバーは、会長の元米Salesforce共同CEOのブレット・テイラー氏、米Quoraの共同創業者のアダム・ディアンジェロ氏、経済学者のラリー・サマーズ氏の男性3人。新たに参加するのは、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の元CEOのスー・デズモンド・ヘルマン博士、ソニーの元副社長兼法務顧問のニコール・セリグマン氏、米Instacartの会長兼CEOのフィジー・シモ氏の3人で、いずれも女性だ。

 new members 左から、スー・デズモンド・ヘルマン博士、ニコール・セリグマン氏、フィジー・シモ氏
 dee ディー・テンプルトン氏

 なお、OpenAIに出資している米Microsoftからは、1月にTechnology & Research Partnerships and Operations担当バイスプレジデントのディー・テンプルトン氏が議決権のないオブザーバーとして取締役会に参加している。

 アルトマン氏は自身のXアカウントで、「新しい取締役メンバーであるフィジー・シモ、スー・デスモンド・ヘルマン、ニコール・セリグマンを迎え、引き続きブレット、ラリー、アダムと協力できることを大変嬉しく思う」と語った。また、混乱の中で暫定CEOを引き受け、アルトマン氏のCEO復帰後にCTOに戻ったミラ・ムラティ氏と、アルトマン氏解任後に取締役を辞め、現在は従業員として復帰しているグレッグ・ブロックマン氏に謝意を示し、「元取締役がOpenAIに損害を与えていると確信した際、私はもっと慎重に、注意深く対応すべきだった」と語った。「われわれには重要な仕事があり、次に何が起きるかを皆さんにお見せするのが待ちきれない」。


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