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「他人の説明文コピペ」機能にユーザー反発 メルカリ「著作権問題ないが、真摯に受け止める」(2/2 ページ)

» 2024年03月12日 19時00分 公開
[岡田有花ITmedia]
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 この疑問に対してメルカリの担当者は「著作権法上の問題はない」と話す。その根拠は、メルカリの利用規約。知的財産権について定めた第21条の第2項だ。

画像 メルカリの利用規約より(赤枠は筆者)

 「出品者により投稿された出品物の写真、動画、情報等に関しては、本サービスの宣伝、運営、研究開発及び発表等を目的として、弊社及び弊社の指定する者が自由に利用できるものとします」と書かれている。

 つまり、「ユーザーがメルカリに投稿した文章や画像は、メルカリの運営などを目的に、 “メルカリが指定する者”が自由に利用できる」ということのようだ。

 新サービスでは「メルカリが指定する者」に「他ユーザーの説明文を利用したいメルカリユーザー」があてはまるとみられ、ユーザーがメルカリに投稿した文章を、「メルカリの運営のため(新機能などのため)」に他ユーザーが使うことは、この規約で許諾されている、と読める。

 また、「メルカリは他ユーザーの説明文のコピーを禁止していたはずでは?」という意見もあった。

 メルカリのユーザーガイドを確認すると、「他会員が撮影した画像を無断で使用すること」「メルカリサイト“外”に記載された文章や画像を無断で使用すること」などを禁止しているが、メルカリサイト“内”の文章の無断利用についての記載はないようだ。

画像 ユーザーガイドより

 規約とユーザーガイドの解釈が上記で正しいか、改めて同社にただしたところ、「今回の機能は、メルカリガイドやメルカリ利用規約の定めの範囲内で提供しており、禁止行為である『他会員が撮影した画像や、メルカリ外にある画像/文章などを無断で使用すること』には該当しない」との回答を繰り返すのみで、個別の解釈の正確性についてのコメントは得られなかった。

文章が書けるユーザーに“ただ乗り”?

 メルカリユーザーの中には、商品の説明文をできるだけ詳しくしたり、表現を工夫するなど、労力を割いている人も多い。

 説明文コピペ機能は、「自分で文章を作るのが難しい」ユーザーのためのもの。逆に言えば、「自分で文章を作ることができる」ユーザーの能力に“ただ乗り”しているとも言え、苦労して書いた文章を他人に簡単に“丸パク”され得る機能への反発は当然だろう。

 コピペした説明文の内容が自分の出品物と一部異なっているのに、違いに気づかず出品し、トラブルになる、といったケースも出そうだ。新機能を使う際は「出品する商品とコピーした商品で内容が異なる場合は、出品画面で編集してください」という注意文が出るが、「自分で文章を作るのが難しい」ユーザーが、他人の説明文を推敲・編集する余力があるか、疑いを覚えてしまう。

 ユーザーからの反発について、メルカリに見解を聞いたところ、「お客さまの声は社内でも真摯に受け止めており、今後の開発や機能改善においても参考にしたいと考えている。今後も、より多くのお客さまが便利かつ、安心・安全にメルカリを利用いただけるようにさまざまなサービス開発の検討、推進を進める」とコメントした。

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