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尿漏れを管理する“埋め込み型”デバイス 膀胱内の充満度をスマホにリアタイ通知 米研究者らが開発Innovative Tech

» 2024年04月10日 08時00分 公開
[山下裕毅ITmedia]

Innovative Tech:

このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。

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 米ノースウェスタン大学などに所属する研究者らが発表した論文「A wireless, implantable bioelectronic system for monitoring urinary bladder function following surgical recovery」は、膀胱機能を継続的にモニタリングできるワイヤレスな埋め込み型デバイスを提案した研究報告である。

尿漏れを管理する埋め込み型デバイス、米国チームが開発

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 柔軟性があり、バッテリーフリーの埋め込み型デバイスは、膀胱壁に取り付けられ、膀胱の充満度を検知する。リアルタイムでスマートフォンアプリにデータを無線送信し、ユーザーや医師が膀胱の状態を監視できるようになっている。

 デバイスは複数のセンサー(ひずみゲージなど)で構成しており、膀胱の膨張と収縮に伴うひずみを測定する。膀胱が膨らむほどひずみが大きくなり、膀胱が空になるとひずみが解消される仕組みだ。センサーがさまざまなレベルのひずみを検出すると、内蔵のBluetooth技術を使ってスマートフォンやタブレットにデータを送信する。

このデバイスは膀胱の充満度をリアルタイムで監視し、スマートフォンアプリにデータをワイヤレスで継続的に送信する

 研究チームは、小動物実験とヒト以外の霊長類実験で膀胱モニタリングシステムの有効性を確認した。小動物実験では30日間、ヒト以外の霊長類実験では8週間にわたってシステムが正常に機能し、リアルタイムの測定データを提供することに成功した。さらに、このセンサーが非常に少量の尿によるひずみも検出できるほど高感度であることを実証した。

 この技術は、二分脊椎や膀胱がん、末期膀胱疾患の患者にとって画期的なものとなる可能性がある。

Source and Image Credits: Jihye Kim and Matthew I. Bury and Kyeongha Kwon and Jae-Young Yoo and Nadia V. Halstead and Hee-Sup Shin and Shupeng Li and Sang Min Won and Min-Ho Seo and Yunyun Wu and Do Yun Park and Mitali Kini and Jean Won Kwak and Surabhi R. Madhvapathy and Joanna L. Ciatti and Jae Hee Lee and Suyeon Kim and Hanjun Ryu and Kento Yamagishi and Hong-Joon Yoon and Sung Soo Kwak and Bosung Kim and Yonggang Huang and Lisa C. Halliday and Earl Y. Cheng and Guillermo A. Ameer and Arun K. Sharma and John A. Rogers. A wireless, implantable bioelectronic system for monitoring urinary bladder function following surgical recovery.



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